安倍氏が施政方針演説で中国に友好姿勢、本音か嘘か?

安倍氏が施政方針演説で中国に友好姿勢、本音か嘘か?。

タグ:安倍晋三 施政方針演説 地球儀を俯瞰する外交

発信時間:2018-01-25 13:26:08 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の今年の国会開会式(22日)において、安倍晋三首相は本年度の施政方針演説を行った。演説に「日本と中国は地域の平和と安定の重要な責任を担っている。日本は中国と安定的な友好関係を発展させていく」という文面が盛り込まれていたことから、一部メディアは日本が中国に両国関係改善を願う姿勢を示したと解釈した。安倍首相が就任してから、中日関係はさまざまな問題にぶつかった。ところば安倍首相は昨年より、日本の「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)に対する消極的な政策を見直すと述べ、現在は両国の友好関係の発展を検討している。川劇の「変臉」を学んだことのない安倍首相だが、顔をころころ変えすぎではなかろうか。中国人は都合のいい編集を最もタブー視する。安倍首相の施政方針演説を通読すれば、糸口をつかむことができる。

 

 まず、演説の中国に関する内容は、「地球儀を俯瞰する外交」の中に含まれている。これまで「地球儀を俯瞰する外交」は「自由と繁栄の弧」と並び、日本の中国包囲という外交路線の象徴とされていた。安倍首相が現在、「地球儀を俯瞰する外交」を拡大し、対中関係を盛り込んだことは、当然ながら日本の外交政策の調整を示している。しかしその前の日米同盟に関する内容で、安倍首相は「我が国の外交・安全保障の基軸は、これまでも、これからも日米同盟だ」としている。これはつまり、日本の外交の基軸である日米関係と比べると、中日関係を含むその他の外交関係は、依然として枝葉の地位ということになる。日本の対中政策の調整は、外交の基軸である日米同盟から切り離すことができない。これを前提とすれば、日本が対中関係改善で、どの程度まで譲歩できるかは想像できる。

 

 両国関係が政治面で問題に直面しても、中日が経済面で多くの互恵・ウィンウィンの基礎を持っていることも明らかだ。安倍首相が施政方針演説で言及した「観光立国」政策でも、中国が発揮する効果を無視できない。観光庁の統計データによると、2017年1−9月の訪日客数は延べ2119万6400人で、中国からが最多となっている。特に中国人客の訪日が定着するにつれ、訪問先も東京や大阪などの大都市からその他の地方に広がっている。中国人客の日本のディープな旅行は、日本政府の「地方振興」の難題解消を促している。

 

 これらの要素を加味すると、中国との関係改善は、安倍首相が施政方針演説で国民に約束した取り組みの実現を促すことが分かる。これは安倍首相が中国に友好的な姿勢を示した重要な原因でもある。しかし演説のその他の部分を見ると、「イージス・アショア」の導入、2018年内の防衛計画の大綱の見直しといった、中国を含む周辺諸国から懸念されやすい内容が含まれる。さらに河野太郎外相は、安倍首相の演説と同時に「日本側は東中国海の現状を変えるすべての行為を受け入れない」と表明した。日本の政策には、相矛盾する不確定性が存在するようだ。

 

 筆者はかつて異なる場において、中日関係が安倍首相の就任により冷え込んだとしても、安倍首相が中日関係を意図的に破壊するトラブルメーカーであることの証明にはならないと、何度も指摘したことがある。安倍首相は外交問題で柔軟な姿勢を示すことを避けておらず、2006年に初めて首相に就任した際には真っ先に中国を訪問した。これは当時「破氷の旅」と呼ばれた。ただし安倍首相は「改憲・強軍」などの保守的な理念を持ち、中日関係に「ゼロサム」の地位を持たせている。つまり中国の成長は、日本の発展空間を必然的に狭めると考えている。そのため安倍首相は多くの政策で、中国に矛先を向けているように見える。言い換えるならば、「中日関係の改善」「日本経済の発展をけん引」は安倍政権の本音だが、「靖国参拝」「東中国海問題の小賢しい動き」といった中日関係を損ねる行為も、安倍首相本人によるものだ。これは安倍首相の政権運営理念の内在的な論理の乱れを現している。 


 安倍首相の政権運営理念に根本的な変化がなければ、対中問題をめぐり、王毅外交部長が指摘したような「両面性」を避けられない。そのため中日関係の今後の動向を判断する際に、ある人物の口先の善意だけを見るのではなく、その実際の行動を見守る必要がある。それゆえ、中国外交部の華春瑩報道官は「中日両国関係の改善と発展」は中国側の一貫した立場であると強調する一方で、厳しい言葉で「日本側が現行を一致させ、中日関係改善の積極的な姿勢を実際の政策と行動に移すことを願う」と指摘している。言行一致しなければ、人から信頼されることはないからだ。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月25日


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