第26回中国研究サロン(撮影・許永新)。 |
日本科学技術振興機構(JST)中国総合研究交流センター(CRCC)は19日、東京で「科学技術情報提供の現状および課題」をテーマとする第26回中国研究サロンを開催した。今回は中国知網(CNKI)も共催で、急速に台頭する中国の科学技術力、その研究を支える情報サービスの最前線が紹介された。人民網が報じた。
同方知網(北京)技術有限公司アジア支社で日本を担当する劉蓉経理、日本学術振興会の特別研究員・木村麻衣子氏、JST・知識基盤情報部研究成果情報グループの調査役・中島律子氏、JST・CRCCのフェロー・石川晶氏がそれぞれ、「中国研究および科研創新を支える知識サービス」、「中国を含めて図書情報のデータ表記に関する研究」、「JSTの情報サービスの現状について」、「CRCCの中国情報サービスに関する取り組みについて」と題する報告を行った。
サロン終了後、同方知網(北京)技術有限公司アジア支社の王寧総経理が人民網の取材に応じた。王総経理によると、同社は1996年に立ち上げられて以降、海外市場の開拓に取り組んでいる。うち、日本は重要な市場で、アジア支社のシェアの3分の1を占めている。現在、知網アジア支社は日本に120もの機構のユーザーを抱え、そのほとんどが大学や企業、研究所、政府機構などだ。
王総経理によると、「最近、海外の中国研究には新たな変化が見られる。以前、日本の中国研究は主に、文学・歴史・哲学の分野に集中していた。しかし、最近は、日本を含む世界各国の中国研究は、少しずつ他の分野にも拡大している。需要から見れば、文学、考古学、中国語教育などの需要が最も大きいものの、近年はそれらの分野より、医学、図書館情報学、中国建築などの理工科のほうが成長している」。
今後の課題について、王総経理は、「文学・歴史・哲学を研究する人は中国語を理解しやすいだろう。しかし、理工科を研究する人にとって、中国語は難しいだろう。私たちは、日本語のインターフェスを作るなどして、そのような人の中国研究をもっとサポートすることを検討している」とし、最後に、「今後、日本の学者との連携を強化し、それらの学者が必要としているさらに多くの学術ソースを提供したい」とした。(編集KN)