カエルの帰宅を待つ私、実家を想う

カエルの帰宅を待つ私、実家を想う。

タグ:旅かえる

発信時間:2018-01-29 14:29:22 | チャイナネット | 編集者にメールを送る



 Seki


   夜中3時頃、私が熱を出した息子の世話をしていると、突然ウィーチャットのメッセージが届いた。「うちのTatsuya君がまだ帰ってこない。もう!一体どこに行っちゃったの。24時間会えなくてちょっと心配」と親友のエコさん。


   私は焦る気持ちなど少しもなく、逆に心の中でこっそりと笑った。そして、すぐモバイルゲームの「旅かえる」を開き、「娘の舞子ちゃん」の姿を探し、旅先の写真が届いたかどうかをチェックした。


   エコさんが言った「息子のTatsuya君」はいま中国で大人気のモバイルゲームのキャラクターのカエルだ。もちろん、私の娘の舞子ちゃんともリアルで一度も会ったことはなく、携帯電話にだけで存在している。


  「旅かえる」は中国で人気沸騰中で、微信モーメンツやアカウントで話題を集め、日本語版しかないものの、今月10日に中国エリアのApp Storeの無料ゲームランキングで1位になった。


  カエルがいつ旅に出ていつ帰ってくるか、そして本を何時間読むかをユーザーが決めることはできない。ほかのプレイヤーとの交流もなく、「縁が全て」のこの「仏系ゲーム」(仏のように物事にとらわれない)が多くの日本語のできない中国人ユーザーたちを夢中にさせているのは非常に不思議である。この中にはきっと微妙な絆があるのだろう。カエルを旅に出すこと、帰る時間、そしてどのようなお土産やはがきをもらうかをコントロールすることはできず、ただカエルにお弁当、道具とお守りを支度してあげるだけである。カエルの「父親」「母親」的存在の私たちはこの瞬間、本物の親の気持ちをすべて理解する。


   親友のエコさんは、「この小さなカエルは可愛くて子供のよう、家に引きこもっていると、早く外で友達と遊んだり、旅に出たり、スポーツしたりすればいいのにと思う。だが、数時間旅に出て家に戻らないと、うちのカエルは外で何をしているのか、ちゃんとご飯を食べているのか、友達ができたのかなどいろいろなことが心配になる。気づかないうちに口うるさい母になってしまった」と笑いながら話してた。


   インターネットが普及する現在、80年代、90年代生まれの私たちは親と携帯電話で連絡を取るのがごく普通になっているが、実家を離れて何年も経っても、親は私たちの本当の生活状態や考えていることを理解しているだろうか。どうであれ、親は無条件に応援してくれるに違いない。プレイヤーが「旅かえる」を開き、カエルにお弁当を支度し、外出中のカエルを心配する気持ちは、社会で奮闘している私たちを心配し、家に帰ってくるのを楽しみにしている親と同じような気持ちではないだろうか。これは「家族の感情」を重んじるこのゲームが中国で大人気となった理由の一つだろう。


   来月は中国の新年で、私は両親と会いたくて早めに帰省する乗車券を購入した。いつも心配してくれる両親とできるだけ長く一緒に過ごしたいと思っている。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月29日

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