ヒットポイント社のゲームアプリ「旅かえる」が、一夜にして中国を席巻した。現在、「App Store」でのダウンロード数は1000万回を突破。うち中国のユーザーが95%を占める。一方、日本では2%に過ぎない。
「週刊朝日」は29日、ヒットポイント社への取材報道をしている。「旅かえる」が中国で大ヒットしたことに対し、同社は「誇らしく、うれしい」と表明した。このアプリの何が人々を魅了したのか。「旅かえる」から見えてくる中日両国の現状と特徴は何だろうか。
シンクタンク「易観」のアナリストグループ副総経理で、中国ゲーム市場アナリストの薛永鋒氏は取材に対し、「『旅かえる』は若い女性の心を掴んだ。“小清新”(シンプルなライフスタイルを重視したお洒落)のスタイルが中国のゲーマーにマッチしていた」と述べる。また「盛大遊戯」の譚雁峰副総裁は、「『旅かえる』は“放置型ゲーム”に属する。中国で流行するゲーム性の真逆を行ったことで、逆に注目されることになった」との見方を示す。中国のあるゲーム会社の広報部長は、「『旅かえる』の流行は、今の若者の生活状態から原因を探ることができる。若者たちの間で流通する流行や文化が、ゲーム上で反映されているのだ」と話す。
この成功はコピー不可能
草津温泉、伊勢神宮、名古屋城……。日本を周遊するカエルは、様々な有名観光地から手紙を“中国の親”に送る。ユーザーはカエルの行動を予知できないため、期待感が募る。薛永鋒氏は、「日本のゲーム開発は、デザイン性と文化性を融合させたゲーム開発が得意だ。ただ『旅かえる』に関して、中国のゲーム会社が参考にする余地は少ない。この成功を模倣することはできない」と話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月31日