日本企業は中国や東南アジアから人材を集めている。彼らは高所得だが正社員ではないため、年金や退職金を支払う必要がない。記者の知り合いには江蘇省出身の夫婦がいるが、夫は日本の通信会社で働き、妻は専業主婦をしている。いつまでも正社員になれないので、長期的に日本に滞在し生活する気にはなれないという。
日本のこのような就業環境は、社会の所得分配の大きな変化を生んでいる。日本人はかつて、国民の8割が中産階級で、高所得層と貧困層が少数であることを誇りとしていたが、現在は「鉄アレイ」のような形を呈している。高所得層と貧困層が増え続け、中間が減っているのだ。
この変化について、日本の多くの学者が調査中だ。社会学者の橋本健二氏の『新・日本の階級社会』の観点は、広く受け入れられている。橋本氏によると、日本社会は大きな転換期を迎えている。貧富の格差が広がると同時に、大きな「下層階級」が生まれている。その人数は930万人で、労働人口の2割を占め、さらに急増する勢いを示している。「下層階級」の貧困率は38.7%で、女性の貧困率は50%弱となっている。
本書が言及したもう一つの現象にも注意が必要だ。日本の労働者に占める非正規労働者の比率が上がり続け、「下層階級」が拡大している。これは日本の政治に影響を及ぼす。以前は中産階級が自民党の主な支持層だったが、現在は一部の中産階級と大半の「下層階級」に分かれている。下層階級は自民党に親しみを感じていない。自民党の支持率は依然として最も高いが、無党派層の人数は各党の支持者数をはるかに上回っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年2月4日