日本人経済学者江原規由氏が読み解く両会「中国のGDP成長率目標6.5%は実現可能」

日本人経済学者江原規由氏が読み解く両会「中国のGDP成長率目標6.5%は実現可能」。経済規模が拡大するにつれて、ますます達成が難しくなってきているが、今回設定された成長率の目標は実現可能であるとの見方を示した…

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発信時間:2018-03-08 10:53:21 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

経済学者江原規由氏が読み解く両会「中国のGDP成長率目標6.5%は実現可能」

第13期全国人民代表大会第1回会議が5日に開幕し、李克強総理が国務院を代表して政府活動報告を行った。報告では2018年の発展の主要目標として国内総生産(GDP)成長率6.5%前後を掲げている。この件に関し、人民網はこのほど、日本の著名な経済学者で、国際貿易投資研究所(ITI)の江原規由研究主幹を独占取材した。

江原氏は中国のGDP成長率6.5%前後という目標は、その経済規模が拡大するにつれて、ますます達成が難しくなってきているが、今回設定された成長率の目標は実現可能であるとの見方を示した。

また江原氏は、中国経済は現在、経済構造調整を進めており、なかでも特にそれが顕著にみられるのが、供給側構造改革だと指摘。李総理の政府活動報告の中では「三去一降一補」(三去は過剰生産能力と在庫の削減、デレバレッジを指し、一降はコスト削減を、一補は弱点分野の補強を指す)において、不足を補い、弱い部分を強化することを強調しているとの見方を示した。そして、「中国がこれまでやってきたことは、人間の体に例えるとダイエットをするようなもので、贅肉を落とすように削減を進めてきた。しかし、ダイエットをするだけでは健康を保つことができないので、これからは筋肉をつけていくことが非常に大事になってくる。つまり人間がフィットネスをするように、不足を補い、弱い部分を強化することに力を注がなければならない」とした。

さらに、江原氏は李総理の政府活動報告では、民生の向上に言及している部分が多くなっていると指摘。そして、「これは中国政府がこれまでの成長であげた成果を体現させようとしていることを反映している。これまでは所得の向上などを主に強調していたが、現在はこれらをどのようにして民生にうまく反映させていくかを考えている。教育であったり、福祉や貧困対策、医療、農業、都市化といった方面の強化と改善を引き続き進めようとしていることが見て取れる」とした。このほかにも、中国政府が小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的な完成を目指していることが、民生の向上を強調する一つの大きな要因になっているとした。江原氏は、「昨年の都市部における新規雇用は1351万人となっており、これほどのことを成し遂げている国は中国だけ。政府活動報告の中では今年さらに農村の貧困人口を1000万人以上減少させるとしており、このようなことを実現できる国も他にはないほど、すごいことだ。ただ当然ながら、6.5%の経済成長を実現したとしても、その成果を民生にまんべんなく行き渡らせようとした場合、ハイレベルな発展が必要不可欠となる。その点に関して、新興産業やインターネット関連産業、人材育成などにも力を入れて乗り切っていこうとしている。全体的に見て、中国経済の良い方向に向かっていくと期待できる」との見方を示した。(編集TG)

「人民網日本語版」2018年3月8日


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