学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改ざんを巡り、自殺した財務省近畿財務局の男性職員が、上からの指示で「書き換えをさせられた」との内容のメモを残していたことが15日、関係者への取材で分かった。共同通信が16日に伝えた。
財務省は決裁文書14件の改ざんを認め、理財局の一部職員の指示で近畿財務局に書き換えさせたと説明。理財局内の指示系統は調査中として明らかにしていない。検察は職員が改ざんを指示されたとみて詳しい経緯を調べるとみられる。
改ざんの目的について麻生太郎副総理兼財務相は12日、前理財局長で国税庁長官を辞任した佐川宣寿氏の国会答弁と誤解がないように行われたと説明。
近畿財務局は約8億円を値引きして2016年6月、森友学園に大阪府豊中市の国有地を売却。2017年2月に大幅値引きの問題が発覚した前後、職員は売却を担当する管財部に在籍していた。
関係者によると、職員は神戸市の自宅で首吊り自殺した。昨年秋ごろから体調を崩し、欠勤しがちだった。親族によると昨年夏、電話で「常識が壊された」「異動できずつらい」と漏らしていたという。
財務省の富山一成理財局次長は13日の野党6党合同会合で、自殺した職員について「個人のことなのでコメントは差し控えたい」と述べていた。改ざんの指示系統に関しては「調査中で、人事部の調査結果を待っている。(自殺した職員が)関わったかどうかを含めて調査している」と述べるにとどめた。
森友学園問題をめぐり、大阪地方検察庁特捜部は学園側との交渉を担当した近畿財務局の責任者などが不当な安値で国有地を売却した容疑、佐川氏らが交渉の記録を破棄した公文書毀棄などについて通報を受けており、捜査に乗り出している。捜査によって、書き換えのある文書が見つかったと分析されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月20日