『日本新華僑報』が伝えたところによると、傘シェアリング、自転車シェアリング、ハウスシェアリングなど、シェアリング経済が発展している。日本にも「シェアリング墓」という数人で墓をシェアする新しいサービスが登場した。
「シェアリング墓」は東京都荒川区の町屋光明寺の大洞龍徳住職が始めた産業。町屋光明寺は1500区画分の墓地を用意し、1基の墓を最多6人でシェアできる。大洞龍徳住職は、シェアリング墓の最初の利用者は同性愛者で、次に高齢の未婚女性、最後に故郷の親族と連絡をとっていない都市移民が利用すると見ている。
2012年初め、東京都多摩地区の都立霊園は4万人を収容できる小平霊園で「樹木葬」を開始した。ツバキやサクラの木などの下に幅1メートル、長さ5メートル、深さ2メートルの共同埋骨洞を用意し、5~10人の遺灰を埋葬するというもの。小平霊園の「樹木葬」第1期プロジェクトは500個の共同埋骨洞を用意し、申請者は8000人に達した。まだ始まっていない第2期、第3期の予約者も16万人に上る。
日本は中国と同様に儒教国家で、孝道理念のもとで盛大な葬儀、墓の風水を重んじ、祖先を崇拝する。日本人が親族でない人と同じ墓に入るようになったのはなぜか。現代の生活は人々に変化を受け入れさせ、妥協できるようになったと考えられる。
まず、高齢化が進み、日本の墓地面積と死者数の割合がアンバランスになり、墓地の価格が年々上昇している。日本国立社会保障・人口問題研究所の推算によると、2010~2019年の10年間の日本の死亡者数は1300万人に達し、650万平方メートルの墓地面積が必要になる。これは東京ドーム139個分に相当する。土地代が高い日本において、これほど頭を悩ませることはない。シェアリング墓は土地を節約できるだけでなく、経済状態の逼迫問題も解決する。
次に、日本社会の価値観が多様化し、一部都市では同性婚が認められ、生涯独身を選択する男女も増えている。昔は男性が祖先から墓を受け継ぎ、女性は夫の家庭の墓に入っていたが、その風習は薄れつつある。
日本総務省の最新の国勢調査によると、日本の65歳以上の女性の5分の1が独身、男性は10分の1が独身である。中央大学の山田昌弘教授は、「昔の日本は生涯独身の女性は家族の墓に埋葬され、甥が供養した。しかし現在は日本人の血縁概念が薄れ、年配の独身女性は自分の墓を用意しなければいけなくなっている。彼女たちに足りないのはお金ではなく、パートナーである。他人との合葬ニーズは今後増えるだろう」と分析した。
大洞龍徳住職の「シャリング墓」のアイデアはある女性の言葉から生まれた。その女性は年を取ってから最後に落ち着く場所を考えるようになり、1人で墓地の費用を負担するのは大変だと思い、「友人と一緒に墓に入ることができたらいい」と話したという。
エッセイストの松原惇子氏は、生涯独身の女性専用の「シャリング墓」をつくった。墓地は東京都府中市にあり、外観も女性らしいデザインで、楕円の白の墓碑、周囲にはバラが植えられている。
日本には亡くなった親族の遺灰を寺の仏像に入れるという形式の「シャリング墓」が以前からある。大阪市天王寺区の一心寺が1887年に造立した「お骨佛」は、仏像が空洞になっており1万人の遺灰を収容できる。一心寺には14基の「お骨佛」がある。2007年から2016年まで、22万3000人から「お骨佛」に供養したいという申請があった。これは日本で最も歴史のある「シャリング墓」と言える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年4月13日