ロシア『スプートニク』の報道によると、ロシア宇宙飛行科学院院士のアレクサンダー・ゼレツニャコフ氏は、中国の宇宙技術が急速に発展し、有人飛行の分野で中国が得た成果と進行中の実験は注目に値すると話した。
ゼレツニャコフ氏は、「ここ数年で中国の宇宙計画は急速に発展し、多くの成果を得た。軌道宇宙ステーションを例に挙げると、‘天宮二号’はすでに2年間飛行していくつかの実験を行い、来年にはマルチモジュール宇宙ステーションの建造を開始する」と説明した。
その他の重要プロジェクトとして、月への飛行を目指す「嫦娥5号」探査機が、月面に着陸して少量の土壌を持ち帰る計画も紹介した。
ゼレツニャコフ氏は、中国が進行中の実用衛星打上計画に注目している。「中国が積極的に進めている実用衛星打上計画では、量子通信衛星や銀河観測衛星などを含む大量の衛星を打ち上げ、実験を行ってきた」と指摘。さらに、「中国の宇宙計画が急速に発展すれば、多くの驚きと喜びがもたらされる。今、中国は宇宙大国となり、中国の宇宙計画は日本と欧州の計画により遥か先を進んでいる」との見方を示した。
また、中国の有人宇宙飛行計画についてロシア宇宙飛行政策研究所所長のイワン・モイセビチ氏は、2024年以降の国際宇宙ステーション運行停止が決まれば、中国が軌道ステーションを有する唯一の国になると話した。
モイセビチ氏は、「中国は有人宇宙飛行計画をさらに進め、マルチモジュール宇宙ステーションの建造を計画している。大きさはロシア‘ミール’号の半分ほどで、2020年に着工し、2024年に完成する予定だ。3つのキャビンと、2つの宇宙船かキャビンを追加できるドッキングポイントがある」と説明。国際宇宙ステーションの運行延長に関する協議がまとまらなければ、中国の軌道総合宇宙ステーションがこの種の施設としては近地球軌道上で唯一のものになるとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月14日