鉱物資源の乏しい日本は10日、自国の排他的経済水域(EEZ)内で、埋蔵量1600万トン(世界の数百年分に相当)のレアアースが見つかったと発表した。日本がこれにて世界クラスの「レアアースサプライヤー」になることを夢見ているころ、中国の科学観測隊員は太平洋南東部の海域で初めて面積約150万平方キロメートルのレアアース沈積エリアを発見した。望外の喜びに浸る日本人と比べ、中国の専門家は冷静に「海底に眠るレアアースは美しく見えるが、短期間内の大規模開発の実現は容易ではない」と述べた。
記者の調べによると、海底レアアース資源の開発はすでに技術的に可能だが、コストという最大の問題に直面している。陸地の開発と異なり、深海の開発には専門的な設備と輸送・保存設備が必要だ。さらに安定的な地質環境が必要で、海や気象状況といった環境の制約を受けやすい。
また人類の深海海底レアアースの分布法則及び埋蔵状態への認識も、大規模な開発を妨げている。陸地での開発と比べ、海洋、特に公海の海底資源開発は、複雑な国際ルールの制限を受ける。探査開始から実際の開発に至るまでには、長い時間がかかる。
ある匿名の専門家はインタビューで「日本が今回発見したとする海底レアアース資源は自国のEEZ内にあり、その開発は国際ルールの制限を受けないが、資源のある海域の水深は平均5000メートル前後で、短期的には開発・利用が不可能だ。海底の地質構造と海の状況は複雑で、開発の難易度は極めて高い。既存の技術・能力では、開発を行ったとしても高コストだ。また海底開発には、無視できない汚染問題がある。レアアースに含まれる重金属もしくは有害元素が水に混じれば、生態環境に深刻な影響を及ぼし、さらには漁業と海洋環境の災いを引き起こす」と指摘した。
中国科学院大連化学物理研究所の李燦氏は「今回新たに発見されたレアアースは、日本のレアアース基礎研究を力強く促す。水深数千メートルの海底の泥からレアアースを分離するのは高コストであり、日本の深海開発技術のさらなる飛躍が待たれる。日本は依然として、中国のレアアース資源に依存する必要がある」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月20日