日本の共同通信社は1日、富士山噴火後に首都圏に降る火山灰に関する日本政府の被害想定案について報道した。同案は過去の噴火の推計から東京23区で1~10センチ以上の火山灰が降り、住民の健康、交通、電力などのインフラに影響が及ぶと明示。大量降灰は首都機能をまひさせる可能性もあり、年内にも最初の対策づくりに向けて議論が行われる。報道によると、政府は降灰推計の妥当性を検証した上で、降灰シミュレーションを今後作成する。政府は、降灰が数週間続く可能性も考慮し、対象地域の住民避難の目安を検討し、自治体と住民向けの「応急活動方針」(仮称)などの指針策定にも着手する方針。
政府の検討資料は国内外の火山被害を参考にし、降灰量による影響について、1センチ以下で一部の交通網に遅延や停止、10センチ以下で社会・経済活動に障害発生、30センチ以上で同様の活動がほぼ不能と定義。
具体的には、降灰が始まると、空港の閉鎖や飛行禁止、5リの降灰で車の故障やスリップ事故の発生のほか、目や気管支の異常などの健康被害も出始める。また、通電不良で鉄道の運行停止の可能性が高まるとした。
降灰が1センチを超えると、送配電網の性能低下で大規模停電のリスクが増大する。供水システムは、ろ過材の目詰まりにより一部で供給が停止する。降灰10センチ以上で車が走行不能になり、物資の配送網が寸断される懸念がある。
政府は、道路網を維持するため10センチを基準とした緊急除灰が必要だとし、早期復旧に向け、火山灰を除去する重機や仮置き場の確保について議論する。
内閣府などからなる協議会は、過去に発生した富士山噴火と同規模の降灰分布地図を作成。地図は神奈川県、山梨県、静岡県の富士山周辺の降灰は30~50センチに、他の周辺地域は2~10センチになるとした。
過去3200年で、富士山で計7回の大規模噴火が発生している。うち、1707年に発生した宝永大噴火では、富士山周辺の降灰量が3メートルに達した。現在の神奈川県の横浜市や相模原市などでは10センチに達し、現在の東京都新付近でも4センチの降灰量となった。
ある日本人専門家は、「100年以上火山活動がない火山が活動再開から数年内に大規模噴火するケースも珍しくない。富士山は300年以上眠っており、関連対策の早期具体化が必要」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年5月2日