今月22日、阿里巴巴(アリババ)集団の張勇(ダニエル・チャン)・最高経営責任者(CEO)が東京を訪問し、日本ブランドの中国越境EC進出・販売支援サービス「Japan MD center」の2周年を記念したJapan MD center annual conferenceに参加した。張CEOは3年連続で日本を訪問しており、同カンファレンスには、コーセーやアシックスなどの日本の企業の役員300人以上が参加した。こうした役員たちは、中国市場の消費規模に驚きを隠さなかったほか、中国のアリババの新小売り関連の動向に強い興味を示した。新華網が報じた。
日本経済新聞を含む日本メディア60社以上が同カンファレンスを取材した。日本経済新聞の記者は、張CEOに20件以上の質問を次々を挙げ、そのほとんどがアリババの新小売りに関連する内容だった。
張CEOは、「プラットフォームを見ると、当社にとって日本は最も重要な市場であることが分かる」と語った。統計によると、2018年度、アリババにとって、日本は1番の輸入国で、オンラインショップの天猫と天猫国際の成約件数は17年度に比べて54%増と122%増となっている。中国は、多くの日本企業が力を注ぐ新市場であることは明らかだ。現在、オンラインショップの淘宝でのプラットフォームには、日本のブランドが合わせて1370社あり、コスメ、スキンケア、マタニティ・ベビー用品、食品、家電、健康食品、ファッションなどの各分野をカバーしている。
「新小売りが人気の火を付けた商品のほうがよく売れ、中国の消費者に一層多くの日本の良い商品を購入できるようになる」と張CEO。
東京にある公益財団法人流通経済研究所の特任研究員である李雪さんは最近の取材に対して、「小売り天国の日本は、オフラインの小売りは非常に発達している。コンビニなどがどこにでもあることからそれが分かる。一方、日本のネット通販は中国と比べると大きく出遅れている。日本経済産業省の統計によると、16年、日本の小売り全体のうち、ネット通販が占める割合はわずか5.43%だった」と指摘した。
こうした現状を背景に、日本のブランドは中国進出を決めているものの、その成功のためには徹底的な変化が必要となる。そんな日本のブランドに天猫や新小売りがその解決策を提供している。ユニクロを例にすると、いち早く09年には天猫に進出し、近年は、「スマートショップ」などのスタイルを通して、物流や在庫などのシステムを最適化し、他の日本のブランドを大きく引き離している。17年のダブル11(11月11日のネット通販イベント)のユニクロの売上高はわずか1分間で1億元(約17億1000万円)を突破した。このような数字をたたき出すのは、他のどんな国、プラットフォームでも至難の業だ。
アリババが日本企業に与える希望はこれだけではない。18年、アリババグループは、東南アジア最大のeコマース企業「ラザダ」(Lazada)を買収した。ラザダの業務は5億人以上をカバーしている。東南アジアは今後中国のように爆発的な成長が見込まれる市場だ。
張CEO は、「日本の事業者は、当社を通して、中国に進出できると同時に、当社と共に、東南アジアの6市場にも進出でき、中国以外の5億6000万人をもカバーできる。これは、当社の市場規模の2倍に当たる」と説明した。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年5月24日