中国網「智庫中国」は北京市で25日、「中国ラウンドテーブル第3期――北東アジアのチャンスと課題」ラウンドテーブルフォーラムを開催した。北京師範大学一帯一路研究・新興市場研究院長の胡必亮教授は、北東アジアの経済・貿易協力の未来について分析し、チャンスもあれば課題もあると指摘した。
北東アジアの未来の経済発展は理論上、最も大きな潜在力と最も高い将来性を持つ。これは北東アジアの経済発展が次の3つの面で大きな差と特色、非常に高い相互補完性を持ち、協力・ウィンウィンを発展させる最も有利な条件を持つからだ。
まず、地域の資源国は非常に豊富な自然資源を持つ。例えばロシアのシベリアは石油、天然ガス、木材、金、ダイヤモンドなどの資源が豊富だ。モンゴルの石炭、銅、金、鉄は埋蔵量が非常に豊富だ。朝鮮には鉄、石炭、金、非鉄金属などの豊富な資源がある。
次に、北東アジアの中国は製造業、特に重化学工業、設備業、自動車製造、航空・宇宙産業などの堅固な基礎を持つ。
それから、日本と韓国はハイエンド製造、科学技術、資金で大きな強みを持つ。そのため6カ国が力を合わせて協力すれば、地域の経済発展には高い将来性が備わるはずだ。長期的に見ると、同地域はEUや北米地域経済に類似する、先進的な経済圏を形成する可能性を完全に持つ。しかし同地域は長期的に政治・安全情勢が極めて複雑であり、その協力の強みと潜在力がほとんど引き出されていない。
同地域の経済発展を促進するという見地に立ち、次の3点から北東アジア諸国間の経済協力の推進を検討できる。
(1)中蒙露経済回廊の共同建設。(2)中日韓自由貿易区の建設の加速。(3)中韓自由貿易区建設協定の署名後の、中韓の緊密な経済協力のさらなる促進。
中蒙露は2016年中頃に「中蒙露経済回廊建設計画綱要」に署名しており、道路、鉄道、航空、港湾などを含む交通インフラプロジェクトの建設で重点的に協力することになっている。同時に生産能力、特に第3国のエネルギー・鉱産物資源、ハイテク、製造業、農林・牧畜・水産などの協力を強化する。他にも中蒙露経済回廊という場を利用し、教育、衛生、科学技術、文化、観光、知的財産権、生態環境保護などの協力を強化する。高い総合性を持つが、重点は経済協力に置かれる。
南北関係と朝米関係のさらなる改善に伴い、一帯一路(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)枠組み内の中蒙露経済回廊は朝鮮半島に延長できる。朝鮮の交通・通信インフラは大幅に改善され、朝鮮の経済発展の促進に対して非常に重要かつ積極的な意義を持つ。韓国と日本の企業は一帯一路の建設への参与に興味を示しているが、こうなれば理想的なチャンスが到来する。しかも地域内に大きな新市場ができ、参与にさらに意欲的になる。中国の東北地区も新たな発展チャンスを迎える。東北を振興できれば新たな動力が生まれ、効果がさらに拡大する。そのため一帯一路枠組み内の中蒙露経済回廊の建設をめぐり、地域内の6カ国は互恵・ウィンウィンを実現できる。経済発展面の互恵・ウィンウィンに留まらず、北東アジアの政治・安全の緊張情勢を和らげる上でも重要な支援力を発揮する。一帯一路の共同建設が極めて重要なことは間違いない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年5月30日