上海金融・法律研究院研究員 劉遠挙
日本の衆議院全体会議でこのほど、成人年齢を18歳に引き下げる法律改正案が可決された。改正案は続いて参議院で審議にかけられる。改正後、18歳以上の者はローンやクレジットカードなどの契約手続きを保護者の同意なしでできるようになる。
成人年齢は国によって異なり、インドネシア、ミャンマー、サウジアラビアなどは15歳、カンボジア、キューバ、ベトナムなどは15歳、東ティモール、朝鮮は17歳と決まっている。18歳以上の国は、韓国が19歳、日本、ニュージーランド、タイが20歳、シンガポールは21歳となっている。
日本はやや高めの20歳という成人年齢から世界の多くの国が定める18歳に引き下げる。経済成長と教育レベルの向上に伴い、若者も以前より成熟度が増している。
しかし、日本は世界で最も高齢化が深刻な国であり、人口構造と密接に関わっていることも否定できない。
高齢化とは、若者が減っているということである。1980年代以降、日本の出生率は急激に低下し、人口構造は逆ピラビッド型になっている。厚生労働省の人口動態統計によると、2017年の出生数はわずか94万1000人で、1899年の統計開始以来の最低となった。
厚生労働省の人口統計と予想によると、2025年には20~64歳の労働人口1.8人で65歳以上の高齢者1人を介護し、2060年には1.2人に減少する見通し。高齢化は国の労働力不足、消費低迷、デフレ、社会資源、財政資源の負担増加につながる。
当然、平均寿命が伸びれば高齢者は増える。これは高齢者がより健康になっていることを意味する。高齢者は社会の負担になるばかりでなく、65~75歳の高齢者は自分で生活でき、働くことも可能である。そのため、日本は高齢者の定義を65歳から75歳に引き上げ、社会の意識と観念を変えることが予想される。その一方で、日本社会は若者を増やし、人口比率を改善し、経済成長を支える必要もある。そのため、多くの労働力を未成年という概念から解き放ち、成人にするというのは必要な変化である。
日本は裕福だから高齢化社会になったと言うのであれば、中国はまだ裕福になっていないのに高齢化と若者の出産意欲低下という問題に直面している。
中国の出産意欲低下には複数の原因がある。例えば、医療保障や教育への不安により、多くの家庭は「もう1人産む」という選択を簡単にできなくなっている。この状況に対し、国は養育補助をし、市場に潜む教育資源を放つ必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年6月7日