三菱マテリアルの製品検査データ書き換えなどの不正行為により、竹内章社長が引責辞任を発表した。日本の検察と警察は「不正競争防止法」違反の疑いで、神戸製鋼東京本社や工場など5カ所を家宅捜索した。日本企業の不正問題が相次ぎ、かつて誇りとしていた品質管理が疑われている。
三菱マテリアルは昨年11月、子会社の三菱電線工業、三菱伸銅が検査データを改ざんしていたことを認めた。今年1月には一部製品が日本工業規格(JIS)の定める方法に基づき検査を実施していなかったことから、子会社の三菱アルミニウム富士製作所がJIS認証を取り消された。三菱マテリアルは今年2月、東京の三菱アルミニウム、大坂市の立花金属工業、新潟市のダイヤメットが検査データを改ざんしていたことを認めた。三菱アルミニウムは今年6月8日、直島製錬所がJISを逸脱した商品を合格商品として出荷し、JIS認証を取り消されたと発表した。
日本3位の鉄鋼メーカーである神戸製鋼の鋼材及び銅・アルミ製品などは、トヨタ、ホンダ、マツダなど日本自動車メーカーに供給されており、かつ航空機や新幹線などの公共交通機関にも利用されている。同社は昨年10月、銅・アルミ製品の検査データを改ざんし、取引先に供給していたことを認めた。これらの製品は製造業の基礎的物資であることから、世界の600社以上が影響を受けた。神戸製鋼は90年代より問題を起こし続けている。2016年6月には子会社の鋼線工業が、鋼線強度の試験データを9年に渡り改ざんしていたことが発覚した。