重慶零壹空間航天科技有限公司が自主開発した商業ロケット「重慶両江之星」が先ほど、内蒙古自治区西部某基地から打ち上げられた。これは中国初の民間主導の市場化モデルを採用し、打ち上げに成功した商業ロケットだ。これまでも、北京星際栄耀空間科技有限公司が開発した商用ロケット「双曲線1号S」が、4月にデビューを果たしていた。
中国の宇宙事業はこれまで長期的に、中国航天科技集団、中国航天科工集団などの「ナショナルチーム」によって主導されてきた。しかし国務院は2014年より「重点分野投融資メカニズムの革新による民間投資の奨励に関する指導意見」などの文書を発表し、民間資本の商業宇宙事業への進出を可能にした。一部の統計データによると、中国では民間企業60社以上が、民間宇宙事業に進出している。
中国の商業宇宙事業はスタートが遅れたが、急成長している。現在まで宇宙事業に進出している民間企業は60社以上に達しており、数千億元規模の産業が激しい競争を迎えようとしている。「ナショナルチーム」との差別化を図った競争を展開し、中国宇宙事業の有力な補完となる。
零壹空間航天科技有限公司の創業者である舒暢CEOは「中国の商業宇宙市場は2020年に8000億元前後の規模に達する。数がまだ少ない商業宇宙事業にとって、これは大きな市場だ。当社がターゲットとする市場は小型衛星の商業打ち上げだ。重量1000キロ以下の人工衛星で、ナショナルチームや海外大型ロケットとの差別化により競争を展開し、大きな成果をあげる」と話した。
しかし宇宙事業の「金山」を掘り当てようとする中国民間企業は、技術ライセンスが困難で、関連政策・法律が整備されておらず、発射資源が不足し、産業チェーンの連結が困難といった難題に直面している。
(一)民間宇宙事業は、「ナショナルチーム」から技術ライセンスを獲得し、これを応用することが困難だ。米民間宇宙企業スペースXはNASAから低価格で成熟した技術を取得しているが、中国民間宇宙企業はこれが難しい。ロケット技術の研究開発の道は未だ遠い。
(二)商業宇宙事業には、関連政策・法律が不足している。商業ロケットには、ロケット開発、打ち上げ、地上観測・制御、残骸の回収、墜落保障などが含まれる。打ち上げ軌道の安全をいかに保障するか、安全性を誰が評価するか、飛行距離を誰が観測するかといった問題について、さらなる規範化と管理が必要だ。
(三)既存の発射場では、商業打ち上げの需要を満たせない。「ナショナルチーム」の今年の打ち上げ回数は約40回で、既存の西昌・酒泉・太原・文昌4大発射基地はほぼフル稼働している。民間宇宙発射場の計画と建設が必要だ。
(四)産業チェーンの連結に難題が存在する。企業責任者と業界内の専門家は、商業宇宙事業は系統的な事業であり、ロケット・衛星・運営の商業化を同時進行させなければならないと指摘した。しかし現段階では各分野の発展に大きな差があり、各サイクル間の連結に障害が存在するという。国が政策を打ち出し、関連分野の統一的な調整と発展を実現する必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月25日