関係改善に立ちはだかる障害
アナリストによると、日朝双方は朝鮮による拉致や歴史などの問題で溝があり、これは両国関係が実質的な進展を実現する障害となっている。
朝鮮は2002年、1970年代から80年代にかけて日本人を拉致したことを認め、5人を帰国させ、遺骨や遺品の一部を引き渡した。日本側や朝鮮側にこのほかの日本人失踪者の行方を明らかにするよう要求しているが、朝鮮側は「拉致問題」は解决済みとの立場を堅持している。
日本政府はずっと、朝鮮拉致問題の解決は日朝国交正常化の前提だと強調してきた。だが朝鮮側は「拉致問題は解决済み」と主張している。この問題で日朝両国の主張は平行線をたどっている。日本の西村康稔官房副長官は、日朝両国の関係の現状を考えれば、首脳会談について短期的に合意を実現するのは難しいとの見方を示している。
日本築波大学の進藤栄一名誉教授は記者の取材に対し、「朝鮮拉致問題」を日朝の対話と新たな関係の構築の障害にするべきではなく、日本政府は戦術を変えるべきだと指摘した。
日本立教大学の西谷修特任教授は、新たな日朝関係を構築しようとすれば、日本は多くの困難に直面すると語る。まず朝鮮にとっての主要な交渉相手は韓国と米国の両国であり、日本は完全に排除され、主導権を握ってはいない。次に安倍政権はこれまで、韓国と朝鮮の和解をまったく支援せず、朝鮮に圧力をかけることを強調し続け、朝鮮半島の緊張情勢を軍事行動と軍拡の口実にしてきた。