EUと日本は火曜日、経済連携協定(EPA)に署名した。発効すれば、双方の99%の商品の関税が最終的に相互撤廃される。トランプ政権がほぼ全世界と貿易戦争を展開するなか、日本とEUによるEPAの署名が注目を集めている。双方は同協定をめぐり5年間も交渉を続けてきたが、この協定から「米国への圧力」を読み取る人も少なくない。
これは単なる憶測ではないだろう。同協定の署名により、日本とEUはトランプ政権との貿易戦争で自信をつける。また同協定により多くの米国人は、「貿易戦争で米国が孤立するのでは」と思うことだろう。
貿易戦争は互いに脅迫・消耗することで自国の利益を手にする。協力と交渉により利益を手にすることと比べれば、低効率であることは間違いない。貿易戦争は現時点ではまだ大規模ではないが、グローバル化に逆らう考え方を示している。今後一定期間に渡り、異なる考えが激しい駆け引きを展開する時期になる。世界はグローバル化を続けるか、それとも保護主義に落ちぶれるかという選択に直面する。
日本は米国の最も緊密な政治・安全の同盟国であるが、トランプ政権の関税政策について低姿勢な反応を示している。しかし日本がTPPにこだわり、EUとEPAに署名したことは、自らの態度をはっきり示している。米国に従い多国間貿易体制に逆らうのではなく、自国の貿易の利益を守ろうというわけだ。
日本とEUのEPAは、米国が不在でも自由貿易は前進を続け、そのペースが落ちようとも大幅に後退することはないことを示している。貿易戦争が米国の主な対外交流方法になれば、徐々に孤立していくことは不可避だ。米国は自由貿易という大海原において、保護主義によってガラパゴス化する。
世界はそもそも協力して米国に対抗するつもりはなかったが、米国は全世界に敵視される立場になった。各国は視線を交わし、耳打ちし、共に米国に対抗しているように見える。