8月12日で中日平和友好条約が締結されてちょうど40年を迎える。昨年以降、中日関係は好転し、中国の李克強総理は今年5月に日本を訪問した際、「双方が中日間の4つの基本文書の原則を一貫して固く守り、向き合って進んでいくことで、中日関係は長きにわたり安定するだろう」と語った。中日両国がすでに調印している各種協定書を秩序立てて推進していけば、中日関係は安定するものの、長きにわたって継続できるかどうかについては、両国が今後たゆまず努力し、国内外の環境を整えることができるかにかかっているだろう。環球網が報じた。(文:復旦大学日本研究センター青年副研究員・ 王広涛)
密接な経済貿易関係は、長きにわたる安定のための「バラスト」であると言える。小泉純一郎政権の時代、中日関係は、「政治的関係は冷え込んでいるものの貿易は盛ん」という状態から、「政治的関係も貿易も冷え込む」という状態に陥った。この事実は政治的関係は両国の経済貿易関係に大きな影響を及ぼすことを示している。両国の関係が2017年に好転したことにともない、両国の経済貿易関係も継続的に改善している。17年の年間貿易額は久しぶりに3000億ドル(1ドルは約111円)の大台を突破し、3029億9000万ドルに達した。経済貿易関係は、二国間関係の発展も効果的に促進させる。中日関係が冷え込んでいた時期、日本で最もそれを懸念していたのは経済界で、中国の「一帯一路」(the Belt and Road)建設に参加し、その益を受けるべきとの声を上げていた。
共同利益を追求することは、長きにわたる安定の契機となる。中日両国はいずれも自由貿易を提唱し、保護主義に反対している。しかし、両国は今のところ、その種の共同利益を効果的に開発、利用はできていない。米国政府の一方的な追加関税措置は、中国の脅威となっているだけでなく、日本の利益も損なっている。日本は、日米同盟があるため、米国に対する対抗策を積極的に講じることはしていないものの、二国間、または多国間協議などを通して、米国との話し合いを試みている。現在、日本にとって中国は最大の貿易対象国で、一方の中国にとって日本は3番目の貿易対象国となっている。そんな両国が共同利益を追求するために自由貿易の分野でより多くのコンセンサスを築くことができれば、グローバル化に逆行する風潮に対抗できるだけでなく、中日関係も一層改善することになるだろう。
中日の協力にはまだ大きな拡大の余地があり、それも長きにわたる安定につながる。李総理は訪日期間中、日本と一連の協力協議書に調印し、それら枠組み協定が現在、秩序立てて推進されている。特に、金融やサービス貿易の分野の中日協力は大きなポテンシャルを秘めている。また、両国の産業構造が高度化するにつれ、中国企業も日本進出の足取りを早めている。例えば、支付宝(アリペイ)などのモバイル決済業務に従事する企業は、日本市場に進出して好評を博しており、今後はさらに多くの中国企業が日本に進出、または投資すると見込まれる。現在、中国の対日投資は大幅に増加しているものの、海外からの対日投資総額に占める割合は依然として1%にとどまっている。つまり、中国の対日投資には巨大な拡大の余地があるということだ。中日両国は今後、本当の意味で互いに依存しあう時代となる可能性がある。
根気強く続ける政策は長きにわたる安定の鍵だ。現在、中日両国の指導者は会談を重ね、安倍晋三首相も、年内に中国を訪問し、習近平主席を来年日本に招きたいと何度も表明している。そのような積極的な姿勢は、両国関係が積極的な方向に向かって発展する助けとなる。しかし、中国が望んでいるのは、日本が戦略を調整することで、一時的な対応策を講じることではない。中国の対日政策、姿勢は明確で、中日間の4つの基本文書と4つの原則的共通認識を堅持さえすれば、中日両国が正しい軌道に戻ることに問題は全くない。それでも、日本国内の政治的要素が安倍首相の対中国政策に影響を与える可能性が依然としてあり、日本政府の「善意」が今後も持続するかが、中日関係の長きにわたる安定のカギとなる。 (編集KN)
「人民網日本語版」2018年8月11日