米国の鼻息をうかがう日本、その必要はあるのか

米国の鼻息をうかがう日本、その必要はあるのか。

タグ:日朝 ベトナム 日本人拉致

発信時間:2018-09-04 15:19:59 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 日朝の高官が先ほどベトナムで秘密裏に会談し、日本人拉致などの問題の解決を模索し、関係正常化を推進しているというニュースが伝わった。注目すべきは、日本が米国に隠れて朝鮮と接触し、後者の不興を買ったことだ。本件は日米関係が同盟の相互尊重に基づく平等な関係なのか、それとも同盟体制に束縛される主従関係なのかを再び問いかけた。


 戦後日本は世界が注目する経済の奇跡を成し遂げたが、これは米国による全力の支援、日本人の努力と切り離すことができない。しかし米国が切り離しから支援に転じたのは、冷戦構造により日本を「極東の1枚の駒」にするためだった。米日同盟の実質、戦後の日米関係の動向は、米国のアジア太平洋さらには世界戦略への貢献だ。米国の目を離れれば、日本は米国からのさまざまな脅威にさらされる。この歪んだ位置づけにより、日本は終始「経済の巨人」「外交の小人」の影を払拭できない。


 日本の多くの政治家と国民は、国が一日も早く「外交の地位がなく、防衛が束縛され、方針決定で顔色をうかがう」という苦境から脱しようとしている。しかしこの方面で出る杭は打たれるのではなく、退陣を強いられる。過去には田中角栄、最近では鳩山由紀夫氏がいる。日本は「自主的な外交」に向け努力しているが、米国はそれを応援せず妨害さえしている。「日米同盟は盤石」と頻繁に口にする政治家に冷水を浴びせている。


 安倍首相は米国に黙って朝鮮に秋波を送り、外交の自主性を切り拓く多くの合理性を手にしている。その一方でトランプ大統領は「真珠湾奇襲」という古い借りを、新たに計算し直すことができると考えている。表面的には仲良しに見える日米関係だが、苦しい現実を露呈している。米国側の婉曲的な警告を受け、日本はどのような選択をするのだろうか。


 現在の世界は日増しに多極化している。国の選択、自国の戦略と安全を出発点とするならば、日本はまず自国の外交の自主性と独立性を確保しなければならない。外交の方針決定まで他人にとやかく言われるのに「正常な国」になろうとするならば、この目標は最初から正常な軌道から外れていると言える。


 次に、日本は自らの外交の発言権と決定権を確保しなければならない。米国の言いなりという外交は日本で深い政治的・社会的土壌を持ち、米日の主従関係が容易に変化することはない。しかし安倍氏は今回、日朝接触により探りを入れた。これはまず日本の米国への不信任のさらなる表面化を示しており、次に日本が21世紀の変化の激しい国家関係において一歩前進するための試みと言える。


 それから、かつて「脱亜入欧」し再び「脱欧入亜」しようとしている日本は、脱グローバル化と保護貿易主義が台頭するなか、自由貿易を堅持し地域一体化を推進する正しい姿勢を示し、中日韓FTAとRCEPの早期実現を促している。日本の自信と実行力が公認されている。日本はこの流れに乗り東アジアに回帰し、自らの力を発揮し東アジアに根ざす地政学的協力の基礎を掘り起こし、当事者として歴史及び現実的な問題を解決する必要がある。国にとって利益であり、地域の緊張緩和を促す選択であれば、一部の圧力と束縛に「ノー」と言うべきだ。


 最後に、日本人は向上心が高く粘り強い民族だ。現政権は北東アジアを重視し、その周辺と協力する取り組みを初歩的に示している。日本はまず、日米関係によって生じた「精神カルシウム」の流出分を補う必要がある。次に独立した外交に基づく、自主選択枠組みを構築する。それから一貫した閉鎖的な認識に果敢に挑み、外交面で米国に「ノー」と言う勇気を持つ必要がある(筆者・笪志剛 黒竜江省社会科学院北東アジア研究所所長、研究員)。



「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年9月4日


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