中国の配車サービス大手・滴滴出行(Didi Chuxing)とソフトバンクの合弁会社、DiDiモビリティジャパンは今月27日、スマートフォンアプリでタクシーの配車依頼ができるサービスを大阪市を中心に始めたことを発表した。日本におけるサービススタート同時に、中華圏の滴滴出行のユーザーは日本でもスマホを使ってタクシーの配車依頼ができるようになった。これにより、滴滴出行は日本とオーストラリア、メキシコという海外3ヶ国の市場においてローミングのコネクティビティを実現している。光明網が報じた。
大阪でもタクシー配車依頼ができるようになった滴滴出行のアプリ。
日本で最も活気あるビジネス都市であり、国際航空ターミナルでもある大阪の人口は883万人を超え、年間の観光客延べ1100万人に達し、滴滴出行がカバーする海外ネットワークの中では最大の都市となる。サービス対象エリアは、関西国際空港を含めた泉州エリアと大阪市内。
大阪でサービスが始まり、滴滴出行の中華圏のユーザーが利用できる海外の都市がまた一つ増えた。中国は10月1日の国慶節(建国記念日)から7日間の大型連休が始まるが、中国大陸部と香港地区、台湾地区の滴滴出行のユーザーは、中国国内版の最新版アプリをインストールしていれば、大阪でもタクシー配車依頼ができる。DiDiモビリティジャパンは今後、順次対象エリアを拡大し、京都、福岡、東京など日本の主要都市でのサービス提供を計画しているという。
滴滴出行の中国版アプリを使って大阪でタクシーの配車依頼が可能に。
日本でのサービス提供開始に合わせて、滴滴出行は、運転手との会話で使える翻訳機能(日本語と中国語間)もアプリに搭載し、効率の良いサービス提供を目指している。また、中国語と日本語で対応するカスタマーサービスも設置し、中華圏のユーザーの利便性向上を図っている。
報道機関向けの記者説明会には、大阪タクシー協会の古知愛一郎副会長や提携するタクシー事業者十数社の代表が出席した。うち、日本で最大手のタクシー事業者・第一交通産業グループの責任者は、「滴滴出行との提携の魅力は、中国のデジタル化された車両管理と配車プラットホームを導入できることだ」と述べた。
DiDiモビリティジャパンの配車管理プラットホーム。
DiDiモビリティジャパンの林励副社長によると、車両をオンラインで管理するプラットホームは、滴滴「谷雨」システムをベースにしている。「谷雨」システムは、滴滴出行が、中国や南米のタクシー事業者数百社と長期にわたって提携しながら改良を重ねたもので、世界でも最も広く使われているスマート配車システムとなっている。
日本のタクシー市場は世界で最も価値ある市場トップ3に入っているものの、料金が高く、市場が縮小の一途をたどっている。ライドシェア(相乗り)の世界最大手ウーバー(Uber)は、2017年に新最高経営責任者(CEO)としてダラ・ コスロシャヒ氏を迎えて以降、日本市場に対する重視を日に日に高めている。今年に入り、滴滴出行とウーバーは日本のタクシー産業において、積極的に争奪戦を繰り広げている。ウーバーは現在、兵庫県淡路島でテスト運営を行っている。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年9月28日