日本・東京の裁判所は11月30日、東京都郊外の在日米軍横田基地の騒音が周辺住民の生活の妨げになっているとして、国に対し総額9567万円の賠償金の支払いを命じる判決を下した。
【賠償判決】
東京地裁立川支部は30日、横田基地の騒音が周辺住民の日常生活を妨げているとし、原告144人に対する計9567万円の賠償金支払いを国に命じた。
横田基地は東京の郊外に位置し、米軍と自衛隊が共同使用している。日本の航空自衛隊のミサイル防衛任務を担当する司令部が置かれている。
周辺住民による騒音公害訴訟は9回目。判決で見米正裁判長は、運航に公共性を認めた上で「周辺住民への見過ごせない不公平が存在する。国の防音工事は対策として不十分」と述べた。訴訟が繰り返され、賠償命令判決が出ても抜本的防止策を講じない国の姿勢を批判した。
裁判所は、144人の騒音被害に基づき、毎月4000円から1万2000円の賠償金を支払う判決を下した。しかし裁判所は基地がすでに起こしている騒音に対する責任追及のみを認め、発生していない騒音に賠償金を支払うべきという原告の訴えを退けた。
原告側は、米軍と自衛隊の軍機に夜7時から翌朝8時までの飛行停止を訴えていたが、これも退けられた。裁判所は、政府には米軍機の飛行をコントロールもしくは制限する資格がなく、民事訴訟で自衛隊の飛行任務を停止させることはできないとした。