主導権はロシアに
圧力に直面した日本側は、ミュンヘンでの会議で慎重に言葉を選んだ。共同通信によると、日本側は「日本固有の領土」という表現を「我が国が領有権を持つ島」に変え、かつ「返還」という概念を強調せず「領土問題の解決」を強調するに留めた。
ところがロシア側は日本の意を汲もうとしなかった。ラブロフ氏は、日本側がロシアによる南クリル諸島の領有権を認めることが、平和条約締結の「絶対条件」だと主張し、日露領土問題の交渉に期限を設けないと繰り返した。
安倍政権が強硬な姿勢を続けようとも、日本の領有権をめぐる争いは難航する。周氏は「日本は依然として島の支配権を失っており、かつ先に島の返還について協議してから条約を締結するという主張は、ロシア側の主張と真っ向から対立する。ロシアは二島を日本に返したとしても、ソ日共同宣言が領有権について確定していないことを利用できる。日本は二島の領有権ではなく、使用権のみを手にする可能性がある」と話した。
日露の領有権問題は、一方の重大な譲歩がなければ解決されないと分析する声もある。全局面を見ると、現在はロシアが「静」で「動」を制し、係争の主導権を握っている。
周氏は「重要なのはロシアが次にどう出るかだ。ロシア側が態度を和らげなければ、領有権問題は引き続き膠着状態に陥るだろう」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年2月22日