日本外国特派員協会から招待を受け、記者は双葉町と大熊町に跨る巨大施設を取材した。ここは避難区域だが、誰もいないわけではない。情報によると、ここでは毎日約5000人が汚染土の処理に従事している。ここは大きな現場だ。新華社が伝えた。
同施設の情報センターにて、環境省・福島地方環境事務所の平塚二朗氏が全体紹介を行った。それから記者はヘルメット、手袋、マスクを受け取り、車に乗り同施設の汚染土受入・分類センター及び汚染土埋立場を取材した。
それまで道路上で見ていた光景と同じく、移動中には多くの空き家、それから一部の施工車両と人員を目にした。記者が携帯していた放射線測定器によると、車内の放射線量は最高で毎時2.547マイクロシーベルトに達した。防護措置を講じなければ、1年間の放射線量は22ミリシーベルトにのぼる。世界平均の自然放射線量は1人平均で約2.4ミリシーベルト。
まずは汚染土埋立場を訪れた。大型トラックが黒い土を運び、かつ数台のブルドーザーとショベルカーが作業中だった。情報によると、ここには約40万立方メートルの処理後の汚染土を埋めることができ、底部には不透水層があり、雨水の地下への浸透を極力防止している。
それから車に乗り受入・分類センターに移った。福島全県の各地から、汚染土を詰めた黒い袋がここに事前処理のため送られてくる。ラベルの貼られた重さ約1トンの黒いゴミ袋がトラックから次々と吊り上げられ、破砕や篩分けなどの手続きを踏まえ、袋内の物が細かい砂、大きめの砂、可燃物などに分けられる。埋立もしくは焼却の後、対応する施設に保管される。放射線量が10万ベクレルを超える少量の灰も、廃棄物保管施設に置かれる。
車窓からは、マスクをした数人の作業員が働いているのが見えた。情報によると、原発作業員の被ばく限度は年間50ミリシーベルト、5年で100ミリシーベルトと定められている。平塚氏によると、ここの労働者には基準値の超過が確認されていない。福島県内各地の汚染土のすべてをこの処理施設に運び込むには、あと約3年かかるという。関連資料によると、昨年10月末までに同施設には約155万立方メートルの汚染土などが運び込まれた。
日本政府と東京電力は2015年、福島第一原発周辺の土地所有者と交渉し、土地を借用し汚染土を保管する30年の契約を結んだ。また30年後に福島県外で、これらの汚染土などを最終処理することを約束した。環境省が昨年10月に行った統計によると、将来的にはここに約1400万立方メートルの汚染土などが保管のため運び込まれる。プロジェクト全体の総経費は約1兆6000億円で、東電が全額負担。
ところがこれらの汚染物質の30年後の取扱について、政府と東電は明確な答えを出していない。環境省は一定基準に合致する汚染土を道路建設などの公共事業に使用するか、非食用作物の栽培などに使用することを計画したが、民間から強い反発があった。日本メディアは、汚染土の再利用の先行きは不透明と報じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年2月26日