1980年代から90年代にかけて、日本は査証(ビザ)の発給要件を緩和し、外国人労働者を受け入れる措置を執った。当時の主な狙いは中小企業の人手不足を解消することにあり、特に労働集約型のサービス系産業、製造業、建築業などでの人手不足解消が狙いだった。だが実際には外国人労働者の搾取といった問題が起こり、外国人労働者の主な供給源である発展途上国において日本の国際的なイメージは大きく低下した。また実際に日本で働いた外国人労働者は日本国民と同じような福祉と待遇を受けることができなかった。
上海対外経済貿易大学日本経済研究センターの陳子雷センター長は、「これまでに安倍政権が社会福祉や労働者の保障に関するプランを打ち出して、改正『出入国管理及び難民認定法』をバックアップしたという話を聞かない。今回、外国人労働者の受け入れを奨励する分野は依然として3K労働と言われる、危険、汚い、きつい業種だ。おまけに発展途上国の経済成長ペースが日本を大幅に上回る現在、こうした国の労働者が日本に来たがるかどうかは、はっきり言って未知数だ」と指摘する。
陳氏は続けて、「今回、外国人労働者の就労条件を緩和したのは、人材導入プランであり、また人手不足解消プランでもあるが、この2つはまったく別のものだ。今回打ち出された新政策が焦点を当てているのはやはり労働者層であり、日本の経済発展、産業構造のモデル転換に真に貢献できるハイレベル人材の導入について、日本はまだ適切な措置を打ち出していない」と述べる。
また陳氏は、「日本社会の人手不足の現状はアベノミクスが期待されたほどの成果を上げていないことに起因する。女性労働者が十分に活用されているか。高齢者の活力がさらに発揮されているか。出生率は向上したか。アベノミクスはこの3点を後押ししているが効果は出ていない。この3点に結びつかない改革は、日本の労働者構造の改善で短期的な効果しか上げることはできない」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月12 日