2011年3月11日に東日本で大地震・大津波が発生し、福島第一原発の事故が発生した。事故から8年が経過するが、事故処理作業が依然として難航している。東京電力は15日に遠隔操作により、使用済み核燃料プールから第1陣の核燃料を取り出した。
【燃料取り出しが難航】
福島第一原発で損傷したのは1〜4号機だが、炉心溶融(メルトダウン)が発生しなかったのは4号機のみで、2014年12月に1535体の核燃料の搬出が完了している。1〜3号機に関しては炉心周辺の放射線量が高いため、東電は今月15日になりようやく3号機内の一部の燃料を取り出した。
東電は報告の中で、3号機内には566体の核燃料があり、うち514体が使用済み、52体が未使用と発表した。炉心周辺の放射線量は最高で800マイクロシーベルト毎時に達し、プール内の核燃料を取り出すためには500メートル離れた場所から遠隔操作するしかない。
作業員がこれらの核燃料を運び出すためには、次のステップを踏まえなければならない。まず未使用の燃料を容器の中に移し、それから重機を使いこれらの容器を地面に置き、最後にこれを冷凍プール内に入れる。
情報によると、東電のこの作業は当初の計画より4年延期された。しかしながら東電は今回の第1陣の取り出し成功を画期的な進展としている。
3号機内のデブリの除去は2021年になりようやく開始される見通しだ。これは処理作業の中で最も難しい部分とされている。東電は、2023年に1、2号機内のデブリの除去を開始する計画と発表している。1、2号機でも炉心溶融が発生した。
【避難区域の住民の帰宅に遅れ】
東電が今回の作業を発表した1日前、日本の安倍晋三首相が福島第一原発を視察した。安倍氏が原発周辺を訪れるのは今回が2回目だ。2013年9月に視察した際には防護服を着用していたが、今回はスーツでマスクをつけていなかった。