日本科学協会と笹川スポーツ財団が東京で19日、「研究奨励の会」・「研究発表会」を共催し、日本科学協会の大島美恵子会長と笹川スポーツ財団の渡邉一利理事長が挨拶し、助成金支援を獲得した研究者に決定通知書を授与した。また、日本財団の笹川陽平会長も出席し、挨拶を行った。人民網が伝えた。
大島会長は2019年度に受賞した若手研究者318人を祝福するとともに、日本科学協会の笹川科学研究助成プロジェクトについて紹介を行った。このプロジェクトは1988年に始まり、これまでにすでに若手研究者約9600人に約56億円の助成金を提供しているという。
大島会長は、「現在、日本科学協会は笹川科学研究助成プロジェクトの審査を行うのと同時に、中国の大学への本の寄贈や日中両国の若者の交流、子供から大人までの一般の人々を対象とした科学普及活動を行っている」と語った。
日本財団の笹川陽平会長は挨拶の中で、「日本は資源がほとんどないが、優秀な人材のおかげで独自の文化を発展させることができた。そのため、私は人材を養成していくことが大変重要なことだと考えている。人材養成は、大きく言えば世界平和のために必要となるものであり、私は長らくその分野に尽力してきた。500年後、1000年後の地球の未来を考えたとき、地球のスペースの約7割を占める海洋の健康な状況を今後も維持できるかということが重要な課題となる。そのため、海洋分野においても総合的な学問を確立し、それを実践できる人材を養成していくべき」と語った。
同会終了後、助成金を獲得した京都大学博士課程の黄潔さんは人民網の取材に対して、「私の研究課題は中国のトン族の『カン』という組織についてで、主に華南地区や東南アジアのタイ系民族の前近代における特徴について注目した。広西壮(チワン)族自治区の歴史について調査を行っている際に、トン族によって形成された民間社会組織があることを発見した。現在社会においても民間社会組織の存在が重視されているため、このテーマを研究課題に選んだ。日本は東南アジア研究において長い歴史があるので、中国に関する研究と東南アジアに関する研究が結び付けられ、比較研究されるようになってほしい。また、今回獲得した助成金を使って、研究資料を購入し、調査研究を続けていきたい」と話した。(文・木村雄太)
「人民網日本語版」2019年4月20日