日本維新の会の丸山穂高議員(35)は先週末酒に酔い、北方四島を取り戻すためならばロシアとの開戦も辞さないと示唆した。この発言は騒動を呼び、ロシアが日本国内を強く批判した。
丸山氏は14日、不適切な発言を理由に離党届を提出した。維新の会は同日、党籍から除名した。
【酒に酔い暴言】
日本とロシアが取りまとめたビザなし交流により、北方四島の元島民でつくる訪問団が10−13日に国後島を訪問した。丸山氏は日本側の随行者の一人だった。
歯舞・色丹・国後・択捉の四島は、日本から北方四島、ロシアから南クリル諸島と呼ばれている。第二次大戦前は日本領だったが、戦後ソ連に占領された。ソ連解体後はロシアが継承国として実効支配している。日露は四島の領有権をめぐり対立しており、現在も平和条約を締結していない。
丸山氏は11日夜、国後島の宿泊先で酒を飲み、訪問団の大塚小彌太団長(89)に「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」と質問した。丸山氏は大声でわめき、食い下がらず、「ロシアが混乱しているときに取り返すのはOKですか?」「戦争しないとどうしようもなくないですか?」
大塚氏は「戦争なんて言葉は使いたくないです」と答えた。
訪問団の一部メンバーは12日、丸山氏の言行に抗議した。丸山氏は直ちに謝罪したが、本件の影響は今週も広がり続けている。