調停という名の伝言
安倍氏が今回の訪問で米国とイランの緊張を和らげられるかについては、否定的な観点が中心的だった。ロイター通信は「イラン訪問は象徴的なものになるだろう。米国とイランという主要国のみが、進展を実現する真の権力を持つからだ」と伝えた。
政治リスクコンサルティング会社Teneoの日本政治問題専門家のハリス氏は、日本メディアのインタビューに応じた際に「日本は中東にとって重要なエネルギー輸出先であるが、軍事的な役割を演じていない。そのため衝突への干渉で及ぼせる影響力は少ない」と述べた。
慶応大学の田中浩一郎教授はNHKのインタビューに対して、「日本が米国とイランの関係に介入する必要性を示したいならば、イランと引き続き原油の取引を行うことが最も効果的だ」と述べた。
呂氏は「安倍氏は調停者になると称していたが、せいぜいメッセンジャーに過ぎない。日本は対話により米国とイランの問題を解消するよう提案する可能性が最も高い」と述べた。
膠着するなか、米国もイランも日本を必要としている。李氏は「イランは現在、封鎖され息もできないほどだ。安倍氏は西側諸国の首脳として訪問するが、イランがこれに積極的な態度を持っている。再交渉に向けた米国の条件をイランが受け入れられず、イランへの制裁解除などの要求を米国が受け入れられない状況下、交渉を開始できない双方は仲介者による伝言を必要としている」と判断した。
李氏は「米国はイランに対してニンジンと棍棒を提示している。強硬な手段によりイランを脅迫する一方で、日本という外交ルートを通じイランに交渉のシグナルを発しようとしている。米国とイランの対立が今後どうなるかについては、G20サミット後にならなければ分からない」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年6月18日