留学生の出身地別で見ると、2017年度は留学生の93%、24万9242人がアジア出身。うち、中国とベトナムからの留学生は全体の63.3%を占め、中国大陸からは10万7260人で最も多く、40.2%を占めた。そのあとにベトナム(6万1671人)、ネパール(2万1500人)、韓国(1万5740人)が続く。留学生の専攻別で見ると、人文学科は12万4305人で最も多く、全体の46.5%を占めた。続いて社会科学(6万7664人)、工学(3万804人)、芸術(8432人)の順に多い。
商学院と就職条件が緩和
留学生に手厚い奨学金を提供することも外国人学生を誘致する手段の1つである。日本学生支援機構が発表した『日本留学奨学金パンフレット2018-2019』によると、日本に留学する外国人学生は文部科学省が提供する手厚い奨学金だけでなく、日本学生支援機構が提供する奨学金も取得できる。そのほか、地方自治体、民間団体からの奨学金も留学生の経済的負担を軽減している。
日本は少子化が深刻化し、労働力不足が続いており、日本政府は留学生の日本での就職規制を緩和する政策を積極的に打ち出して留学生を引き込んでいる。留学生は日本の大学を卒業後、年収300万円以上で、日本語を使用する勤務先の就職条件を満たしていれば、業種と分野を問わずに在留資格を取得できる。
留学生誘致の今後は楽観視できない
人口資源などが首都圏に過剰に集中する「東京一極集中」により、日本の多くの地域が発展不足となり、「地方消滅」現象が起きている。そのため、国家レベルで地方振興計画を開始し、都心エリアの大学の学生募集数の拡張も禁止した。小池百合子都知事はこの国家政策を公的に反対し、東京のグローバル化を妨げると考えるが、地方を振興させて日本全体の発展を推し進めるという国家レベルの計画は揺らいではいけない。また、都市人口の密集も交通渋滞、物価高騰、環境悪化などの「大都市病」をもたらし、東京が留学生にとって魅力的であり続けられるかも問題となっている。
そのほか、日本周辺の一部の国も少子化と労働力不足の問題に直面しており、本国学生を帰国させ、日本と留学生を争う可能性もある。これは日本にとって大きな試練である。(文:李冬梅 北京教育科学研究院教育発展研究センター助手研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年8月3日