日本の安倍晋三首相は11日、内閣改造と党役員人事を行った。閣僚19人中17人が交代となった。安倍氏は同日、任期内に改憲という目標達成に全力を尽くすと表明した。
しかしアナリストは今回の交代について、安倍氏の腹心及び自民党内の派閥の支持者に対する「論功行賞」に近いと判断した。新内閣が直面するより差し迫った課題は、改憲よりも経済及び外交になるだろう。
安倍氏は今回の内閣改造前に、「政治の安定を維持し新たな挑戦を迎えられる力強い態勢」を構築すると述べていた。そのため17人が交代となったが、安倍政権を支える麻生太郎副首相兼財務大臣、菅義偉内閣官房長官の留任は早くから内定していた。
安倍氏は2012年12月に首相に再任を果たすと、内閣改造と党役員人事を何度も行ってきた。しかしどの程度の変更であったとしても、安倍・麻生・菅の「3本柱」を維持した。
今回の内閣改造の見所は、小泉純一郎元首相の子、年齢わずか38歳の小泉進次郎氏が初入閣し、環境大臣に任命されたことだ。戦後日本の最年少の男性閣僚となった。
日本メディアは、安倍氏が進次郎氏を登用したことには2つの狙いがあるとしている。まず、進次郎氏の人気にあやかり新内閣の目玉とする。次に、政府を批判することもある進次郎氏を内閣に取り込むことで、父と同時に口封じをする。
前外務大臣の河野太郎氏が防衛大臣に就任。元経済再生担当大臣の茂木敏充氏は、日米貿易協議における活躍で安倍氏から認められ、外務大臣に就任した。
安倍氏は、新内閣の位置づけは「安定と挑戦」であると述べた。しかし野党と識者は、安倍新内閣は「トモダチ内閣」だと批判した。今回入閣した萩生田光一文部科学大臣、高市早苗総務大臣、西村康稔経済再生大臣、加藤勝信厚生労働大臣は安倍氏の中心的な腹心で、保守的な政治色が強い。
韓国メディアは、「対韓強硬内閣」と評価している。
新内閣が正式に発表される前の11日午前、自民党は総務会議を開き、党役員人事を確定した。自民党の二階俊博幹事長(80)と岸田文雄政務調査会長が留任し、元五輪大臣の鈴木俊一氏が総務会長、元幹事長の下村博文氏が選挙対策委員長に就任した。
安倍氏は自民党総務会議で、「全党で団結し、改憲推進に取り組む」と表明した。
しかしアナリストによると、今年7月の参院選で改憲勢力が改憲発議の要件である3分の2以上の議席数を失ったことから、安倍政権の改憲推進は難しくなっている。安倍氏が今回の内閣改造前に改憲を強調したのは、改憲に迎えた党内の士気を維持するためと見られる。
新内閣の喫緊の課題は改憲ではなく、経済及び外交だ。従来の計画に基づき、日本は今年10月に消費税をさらに引き上げるが、現在の世界経済及び貿易情勢の影響があり、期限通りに増税に踏み切れるかは依然として未知数だ。また日本と韓国、ロシア、朝鮮などの周辺諸国との外交が悪化もしくは停滞しており、いかに進展を目指すかは新内閣の「悩みの種」になるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年9月12日