今年のバレーボール・W杯女子大会で王座を守った中国女子は、東京五輪前の最後の試験でも満足のできる答案を提出した。10戦後、中国女子は全線全勝の成績を維持し、残り1試合を待たずして優勝を決めた。しかしこれは来年の五輪でも安心できるというわけではない。
W杯、各チームが主力を温存
まず、今年のW杯が東京五輪の出場資格をかけた戦いではないため、各チームは一部の主力を温存した。例えば世界ランキング1位のセルビア女子は、今年の戦いの重心をバレーボール欧州選手権に置いており、そのため今回は主力の半分しか送り込まなかった。それであってもセルビア女子は主力を総動員したオランダに3対2で逆転した。さらにセルビアは中国女子を第2セットで苦しめた。2軍であっても、その実力はあなどれないことが分かる。
注意すべきは、中国女子の主力とセルビアの女子が今シーズン戦っていないことで、これは中国の準備に一定の問題をもたらす。今回のW杯は東京五輪前の最後の世界大会であり、双方の主力軍は五輪で雌雄を決することになる。
セルビアのほか、ブラジルの2大主力のタンダラとナタリアもW杯に出場しなかった。新旧入替の時期のブラジルは中国との試合で5セット目まで粘った。ブラジルはリオ五輪で中国に淘汰されたことを忘れておらず、来年の東京では中国にリベンジしようと必死になるだろう。
現在メダル争いを続けているロシアは、スター選手のコシェレワと主力ミドルブロッカーのフェティソワを温存しているが、ゴンチャロワが率いるロシアのランキングは中国と米国の後につけている。来年コシェレワらが復帰すれば、ロシアの実力がさらに強化されることは間違いない。
東京五輪、強敵が機を伺う
次に、中国女子は五輪でより手強いライバルを迎える。同じく12チームの参戦となるが、各大陸の上位2チームがW杯に進出できる。東京五輪は条件がさらに厳しいため、五輪にはほぼ弱いチームが存在しないことになる。
現在まで中国、ロシア、米国、イタリア、セルビア、ブラジルの6チームが五輪出場権を手にしている。興味深いことに、欧州に強豪が揃っているため、イタリアは今年のW杯の出場権を得られなかった。とは言え多くの有力アタッカーを持つイタリアは、世界の女子バレーで無視できない勢力であり、昨年のW杯では中国に勝ち3位に輝いた。来年両チームが激突するならば、苦戦が予想されるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年9月29日