日本経済新聞(電子版)が14日に伝えたところによると、中米貿易摩擦や人民元安などの影響を受け、中国人客の日本でのショッピングの勢いが弱まり、「爆買い」ブームが冷え込んでいる。日本の店はこれを懸念し、販売戦略を速やかに調整し、手頃な商品を打ち出すことで中国人客をつなぎとめようとしている。
国慶節連休中、中国人消費者の日本での消費の勢いが弱まった。ロイター通信がオンライン旅行会社の携程のデータに基づき計算したところ、中国人客数トップ7都市における1人平均の支出が、前年同期比で16-25%減少した。また訪日客の消費総額の3割を占める中国人客は元安の影響も受けやすい。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の試算では、対円での元レートが10%下落すると、1人当たり支出額は2.9万円減少する。人民元の対円レートは18年4月の1元あたり16.7円から今年9月には15円を割り込むなど約10%低下した。
同社景気循環研究所の宮崎浩シニアエコノミストは「訪日客数を一定とすれば、10%の人民元安は2019年の消費支出額を2430億円下押しする」と分析した。
日本のビジネス界も直ちに、サービス戦略の調整を開始した。高級ブランドを販売する伊勢丹は今年の国慶節連休中、高級時計のほかに5万円台から購入できる低価格商品をそろえた。日本の雑貨店も手ごろな商品に商機があるとみた。ロフトは銀座の旗艦店を4月に増床し、酒かすパックや米パックなどの化粧品を4割増やした。割安な中古品ビジネスも活況を呈している。中古ブランド品大手コメ兵の4月から7月の免税客数は前年同期比で1割増えた。
近年は日本の温水洗浄便座、薬品、炊飯ジャーなどを爆買いする中国人がほとんど見られなくなった。中国人の訪日旅行は心身のリラックスをいっそう重視するようになった。旅行目的も単なるショッピングではなく、地方での自然体験、歴史探訪などの精神的な消費に転じた。そのため日本の関連業界は、中国人の消費の需要の変化に合わせ、中国人の多様な需要に合致しレートなど短期的な変動の影響を受けにくい観光商品を開発するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年10月15日