日本の安倍晋三首相は今月20日で通算在職日数が2887日になり、106年ぶりの記録更新となった。安倍氏は日本の通算在職日数が最長の首相になった。来年8月には佐藤栄作が持つ連続在職日数の記録も塗り替える。ところが日本の政治文化を見ると、集団主義と首相の頻繁な交代が常態になっているが、安倍氏が「非常態」を実現できたことには内外の理由がある。
(一)有権者が長期安定に期待している。日本人は特定の政治家が長期的に権力を一手に握ることを好まないが、頻繁な政権交代による政治の不安定にも不満を持っている。2006年から2012年の7年間で、日本の首相は安倍氏、福田康夫氏、麻生太郎氏、鳩山由紀夫氏、菅直人氏、野田佳彦氏と6人も変わった。これにより日本の政治・外交は連続性を失い、日本の国際的なイメージに深刻な影響を及ぼした。日本の有権者は、比較的安定した政治環境を求めている。安倍氏はこの状況下、2012年末に自民党を率い政権を奪還した。自民党は民意に従い、公然たる内部闘争を停止し、安倍内閣の長期政権運営を維持した。
(二)自民党内の人材が不足している。自民党内には森喜朗氏、小泉純一郎氏、福田康夫氏、麻生太郎氏ら首相経験を持つ大物がいるが、いずれも高齢のため再出馬し安倍氏に挑戦することができない。自民党の7大派閥のうち、安倍氏が所属する党内最大の細田派には、安倍氏、小泉氏、福田氏の他に首相の才能を持った人物がいない。ナンバー2の麻生派の麻生太郎氏は今年79歳で、河野太郎前外相は見通しの効く人物だが、まだ経験が必要だ。その他の人物は首相に適していない。その他の派閥を見ると、石破派は安倍氏への挑戦を表明しているが、その首領である石破茂氏に自民党の離党歴という「政治の汚点」があるため、党内で人気を集めにくい。
さらに重要なことは、安倍氏が権力分配で各派閥のバランスを保っていることだ。自身が所属する細田派以外からも閣僚を迎えており、「挙党一致」内閣を形成した。