米政府は最近、アジアの主な同盟国である日本と韓国に対して、米軍駐留経費の負担を数倍に増やすよう求めている。韓国などの関連国はこれに強い不満を抱いている。実際にはアジアの同盟国だけではなく、ドイツを含むNATOの同盟国に対しても負担拡大を求めている。
米国の同盟国のうち、これまで米軍駐留経費を最も多く負担してきたのは日本だが、米国は再び日本を槍玉に挙げた。共同通信の報道によると、米政府は現在の毎年20億ドルから4倍の約80億ドルに増やすよう求めた。
匿名の軍事専門家は「日米安保条約によると、在日米軍の駐留経費は両国で分担される。近年の割合はほぼ1対3となっており、つまり日本が約75%を負担している」と述べた。
専門家によると、日本側は当初主に米軍基地用地の賃料を負担し、インフラ整備と維持は米軍が自ら行っていた。経済が徐々に好転し始めた日本政府は1978年、米国からの圧力を受け、在日米軍基地で働く日本人従業員の賃金と福利厚生費の負担を開始した。この費用は「思いやり予算」と呼ばれている。その後日本の負担の範囲と規模が拡大し続けた。日本政府は1979年より、在日米軍基地の装備品の負担を開始した。米日両国は1987年より、米日地位協定を踏まえた上で、多くの「特別協定」に署名した(有効期間は通常5年で、2006年4月より2年に改められた)。特別立法の形式により関連予算を固定し、年々増額した。さらに在日米軍基地の住宅、水道・電力・ガス料金などまで範囲が拡大した。
専門家によると、日本側の負担は現在、主に次の4つに分かれる。
(一)米軍基地の周辺対策費。つまり米軍基地と軍事行動が周辺住民にもたらす影響に関する補償、それから住宅の防音対策などの費用のことだ。
(二)私有地もしくは国有施設の賃料。日本の国有地は米軍に無償で提供されているが、一部の米軍基地は私有地も使用しているため、日本政府がその賃料を支払う必要がある。賃貸契約が結べなかった場合、日本政府は「駐留軍用地特別措置法」により土地の使用権を取得すると同時に、土地所有者に補償を行う。
(三)基地施設の移転費用。この費用には高い不確実性が存在する。読売新聞の報道によると、日本政府は2016年に在日米軍経費を7612億円負担したが、これには沖縄基地の移設費用が含まれる。米軍普天間飛行場の辺野古移設、沖縄米海兵隊のグアム島への移転、山口県岩国基地の空母艦載機部隊の空港及び住宅施設の建設費(訓練場、事務所、軍人の寮、子供の学校、娯楽施設など)、米軍空母艦載戦闘機の移転訓練費用などが、近年の基地施設の移転費用となっている。
(四)施設・装備品の費用と労務費。これは対外的に「在日米軍経費負担」と呼ばれ、上述した思いやり予算も含まれる。うち施設・装備品の費用には、日本政府が米軍基地に支払う娯楽・健康施設費(ゴルフ場、映画館、カフェ、美容室、フィットネスジムの維持費など)、水道・電力・ガス料金、米軍寮及び住宅の改修費用、米軍基地の防音施設、燃料庫、軍機のカモフラージュ、教会などの維持費が含まれる。
日本メディアの報道によると、在日米軍の兵力は5万人以上で、これに事務職員、家族、作業員を加えると約10万人になる。彼らの衣食住及び教育訓練も、この経費によって賄われる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年11月23日