3カ国は米国との関係を極めて重要な位置に据えているが、これは現実的な選択だ。しかしそれと同時に、中日韓の協力強化が実際には、3カ国各自の対米関係の発展に資することに注意が必要だ。良好な3カ国の協力により、米国からより多くの尊重を勝ち取るツールを手にすることができるからだ。これは3カ国の主権範囲内のことであるため、中日韓の協力強化の正当性は、米政府の裏からの圧力に十分に耐えうる。
今日の中日韓には根本的な利益の食い違いは存在せず、それよりも具体的な摩擦の方が多い。相互関係の政治的基盤が堅固であれば、これらの摩擦の管理は難しくない。実際に3カ国はすでに相互依存する利益の関係を形成している。3カ国が上手に協力できれば、北東アジアは引き続き世界の発展でトップの地位を維持できる。相当な実力をすでに形成している3カ国が消耗し合えば、人の不幸を喜ぶ野次馬が現れる。
RCEPはすでに妥結したが、最終的な署名を促すためには中日韓の協力が重要になる。RCEPを踏まえた上で、中日韓はより高水準の自由貿易を実現し、アジアの発展における3カ国の協力の中心的地位を固めることができる。
世界は大きな変化を迎えている。環境の変化は多くの国の立ち位置に微妙な影響を及ぼす。私は誰か、私の隣人は誰か、私の利益は何か。これらの問題の答えは、時代の変化に伴い複雑味を増す。中日韓の民間は思考の惰性により、これらの重大問題に鈍感になるべきではない。
冷戦時代の両極体制は、多くの国の利益構造及び自己認識を形成した。当時、一国の立ち位置がすべてを決めると言えたほどだ。グローバル化した今日の世界において、一国の歩むべき道は複雑になっている。すべての国がより多くの独立した思考、自国の運命を独自に決める責任感を持ち、自国が置かれている地政学的環境及び国際関係の中で自国の発展に資するより多くの積極的な要素を見いだし、これを適切に用いる必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月24日