世界のクルーズ船改革が不可避に?
同クルーズ船は今回の感染症で唯一「被害」にあった客船ではない。新型コロナウイルスの流行後、「ウエステルダム」から新型コロナウイルス肺炎の感染者が確認されている。「ワールドドリーム」や「スーパースター・アクエリアス」などのクルーズ船の航行計画も影響を受けた。
新型コロナウイルスの発生により、国際社会はクルーズ船業界の感染対策を考え直している。曾氏は「同クルーズ船の事件は世界に対して、このような問題に対応するためには世界の協力が必要であると警告した。国際豪華クルーズ船の構造・設計を見直すべきだ。また船内に疫学及び公衆衛生の専門家を乗せ、乗員に緊急訓練を行うべきだ」と指摘した。
曾氏は「(クルーズ船のような)密閉された環境において、現場で経験豊富な疫学医師が指揮を行っていれば、状況は現在ほどひどくならなかっただろう。同クルーズ船の事件は人類社会の災難であり、試練でもある。業界は今後国際的な共通認識を形成し、国際的な対策を作るべきだ。クルーズ船の構造・設計の改革をめぐる議論が不可避になる」と述べた。
上海国際郵輪経済研究センターの葉欣梁副主任も、今後はクルーズ船の突発的な公衆衛生事件の緊急対応プランを作り、これを健全化し、「全体対応マニュアル+税関処理フロー+停泊先対応マニュアル+クルーズ船企業対応マニュアルの予防・抑制体制」を形成する必要があると指摘した。これまでの感染対策の脆弱な部分に的を絞り、港の関連検査設備をアップグレードし、「港の共同予防・抑制メカニズム」の改善を続けるべきだという。
遺伝子検査で陰性が出た一部の乗客は19−21日に渡り、許可を得て同客船から下船した。乗客は14日間の「拘束」が解かれたが、再び地上に足を着ける彼らを待っているのは、新たな未知の隔離かもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年2月24日