中国では新型コロナウイルスによる感染症対策が功を奏し始めているが、日本、韓国、イタリアなどでは感染症への緊迫感が増してきている。日本のソーシャルメディアでは、日本在住の中国人への極端な声も一部見られる。中国人は日本で色眼鏡で見られているのだろうか?これについて「環球時報」の記者が日本で各方面の話を取材した。
25日の時点で、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で感染が確認された691人を含めると日本国内では861人が新型コロナウイルスに感染。ソーシャルメディアには、「中国人は日本に来るな」や「中国人は帰れ」、「中国人がドラッグストアでマスクとかの医療物資を買い占めて、日本人の正常な生活を害している」といった中国への怒りを表す一部のネットユーザーの発言がみられる。
「申し訳ない!」--。東京在住の本田さんは記者からこうしたいきさつを聞くと、「わたしが謝ります!」と頭を下げた。そして、新型コロナウイルスに関係なく、中国を中傷する発言は日頃からあると説明。こうした人たちを「ネット右翼」といい、最近に始まったことではなく、ずっとネット上に潜伏しているのだという。本田さんは「今は日本で生活する中国人をよく見かけます。国籍の問題は誰も気にしません。私の勤める会社にも中国人の同僚がいますが、みんなととても仲良く、一緒にお酒を飲みに行くこともあります」と話す。
大阪在住の伊藤さんは、実際の生活の中で中国人を蔑視する現象はないという。「確かにネット上によくない発言を書き込む人はいますが、これだけ多くの中国人観光客が日本に来て、日本経済に大きな貢献をしているので、そうした人たちは口を閉ざすしかありません。ネット上にはいろんな声がありますが、今は日本政府の感染症対策に効果がないことに多くの批判が集中しています。日本の人たちは感染がさらに拡大することを心配してます」と不安を漏らした。
日本各地で生活する中国人グループも、「中国人は帰れ」など差別的な発言を時々ネット上でみるが、それはかなり少数だと記者に話した。日常生活の中で差別や不公平な待遇を受けたことはないという。しかも中国人相手に商売する日本人も今では多く、そういう人たちにとって一番困るのは中国人客を失うことだというのだ。