世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス肺炎の影響を受け、多くの大型スポーツイベントの開催が中止されている。今年の東京五輪はネットユーザーの大きな話題になった。この4年に1度の五輪の予定通りの開催が危ぶまれている。
AP通信の報道によると、国際オリンピック委員会(IOC)のディック・パウンド委員は、新型肺炎が5月下旬まで抑制されなければ、延期や他都市での代替開催ではなく中止の可能性があると述べた。
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IOC高官:決定まで3カ月の猶予
1978年からIOCカナダ国籍委員を務めてきたパウンド氏は、IOCで任期が最も長い委員だ。彼はAP通信のインタビューに応じた際に、東京五輪の運命を決めるまで3カ月の猶予があると見積もった。つまり決定が5月下旬まで先送りされる可能性があるということだ。
パウンド氏は、「開催時期が迫るなか、多くの準備作業に着手しなければならない。警備を強化し、食品、選手村、ホテルの安全を重視しなければならない。記者は現地で取材のための拠点を作る」と述べた。
「これは新たな戦争で、直視しなければならない。その前後、感染症が十分に抑制されているか、東京に行っても大丈夫かという疑問が生じる」
感染症がコントロールを失った場合、パウンド氏は「五輪は中止されるだろう」と予想した。
日本は「中止はない」
ネット上で先ほど、東京五輪が中止になるかもしれないという情報が伝わった。しかし北京時間2月1日、東京五輪組織委員会は「これは事実ではない。IOCと世界保健機関(WHO)の間では情報交換が行われているだけで、その他の措置はない」と否定した。
東京五輪組織委員会の関係者は、対外的に「五輪中止は事実ではないが、選手と観客が安心し安全に五輪に参加できるようにするため、今回の感染症については慎重に検討することになる。組織委員会、日本政府、WHOが協力し、日本での大流行の可能性を注視しており、これについて必要な議論を行う」と表明した。
日本の安倍晋三首相も6日の国会で、感染症が東京五輪・パラリンピックの開催に影響を及ぼすことはないと表明した。組織委員会も13日、「中止や延期を考慮しない」と強調した。
資料写真:現地時間12月30日、東京五輪水泳会場「オリンピックアクアティクスセンター」が形になってきた。
聖火リレー採火式は予定通り開催
日本が五輪の予定通りの開催を目指す一方で、ギリシャオリンピック委員会は現地時間24日、東京五輪の聖火リレー採火式を現地時間3月12日に開催することを確認した。これはメディアが報じていた時間と一致する。
東京五輪の聖火の採火は五輪発祥の地であるギリシャで行われる。聖火がギリシャ国内を1週間巡った後、3月19日にアテネのパナシナイコスタジアムにて引継式が行われる。聖火は20日、特殊輸送機で日本の東松島市に運ばれる。現地市民はその前日、運河沿いで地方色あふれる竹明かりを灯し、聖火を歓迎する。
東京五輪の聖火リレーは3月26日、福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」から始まる予定だ。その後約1万人のランナーが121日かけて日本全国を走り、7月24日に東京五輪メイン会場の国立競技場で聖火台に点火する。