新型コロナウイルス肺炎の世界的な拡散が加速するなか、韓日両国は9日0時より相手国の公民に対する正式な入国規制を実施し、かつビザなし渡航を一時停止した。韓国及び日本国内のメディアは、韓日は外交の対立を棚上げにし協力を強化し、共に感染対策に取り組むべきと呼びかけている。しかし韓国の対日関係当局者は、韓日間では現在さまざまな問題が山積しており、意思疎通が不可能な状態になっていると述べた。新型肺炎はさらに双方の疑心暗鬼を促し、韓日関係が今後も悪化を続ける可能性があるという。環球網が伝えた。
福岡空港国際ターミナルビルがガラガラに
韓国・聯合ニュースの9日の報道によると、同日午前の韓国発日本行きは2便で、韓国人旅客は3人のみだった。韓日の人員往来はほぼ停止した。NHK(電子版)によると、福岡空港は9日に中国・韓国便を全便欠航とした。国際ターミナルビルの混雑が消え、ガラガラになった。
報道によると、日本政府は今月5日、9日より中韓からの入国者を対象に規制措置を講じると宣言した。日本の外交機関が中韓公民に発給したビザは一律で無効となる。また韓国公民のビザなし渡航を禁止した。中国・韓国便は成田空港もしくは関西国際空港のみの到着となる。また中韓の公民は入国後、14日間の隔離を受けなければならない。
韓国政府は、日本のこの措置は政治的目的によるものとし、対等の原則に基づき日本公民の入国規制措置を講じた。韓国外交部は6日、9日より日本公民のビザなし渡航を停止し、在日韓国外交機関が日本公民に発給したビザを無効とした。日本公民は入国の前に新たにビザを申請し、かつ自ら健康確認書を記入する必要がある。さらに日本から韓国に入国するすべての外国人を対象に「特別入国手続」を行い、訪日旅行の警戒レベルを引き上げた。
日本メディア「豪州は日本より厳格」
韓国政府の日本公民の入国規制について、一部の日本メディアは不可解としている。時事通信は9日、「これは事実上の対抗措置だ。徴用工問題を受け日韓は関係改善の切り口を見つけられずにいるが、今や新型肺炎により両国の人員交流が影響を受けている」と伝えた。朝日新聞は日韓外交筋の分析として、「豪州は韓国に対して、日本よりも厳格な入国規制を行っているが、韓国はいかなる対抗措置も見せていない。韓国政府の日本への反応は感情的すぎる」と伝えた。
また韓国が4月に国会議員選挙を控えていることから、文在寅政権は日本に強硬な姿勢を示すことで選挙の準備を整え、政府の対策の問題に対する国内の批判をそらそうとしているとの見方もある。