感染症に見舞われる日本、医療現場の圧力はどこに?

感染症に見舞われる日本、医療現場の圧力はどこに?。

タグ:日本 医療現場

発信時間:2020-04-14 14:58:29 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 周知の通り、日本は医療大国だ。OECD(経済協力開発機構)のデータによると、日本人1000人あたりのベッド数は13.1床。ICU(緊急治療室)は新型コロナウイルス肺炎重症者の命を救う最後の防衛ラインだ。ところが世界一のベッド数を持つにも関わらず、日本のICUベッド数は医療崩壊目前のイタリア及びスペインよりも少ないほどだ。米国立生物工学情報センターの統計によると、日本の10万人あたりのICUベッド数は7.3床で、ドイツの4分の1、米国の5分の1のみだ。「環球時報」が伝えた。


 日本は世界で高齢化問題が最も深刻な国の一つだ。高齢者が感染すれば、非常に深刻な結果が生じる。東京都は12日、中野区の病院で集団感染が発生したと発表した。同日の新型コロナウイルス新規感染者は87人で、計92人に達した。この病院の患者の大半が高齢者であるため、事態は比較的深刻だ。


 日本各地は現在、ホテルなどの場所を徴用し軽症者の隔離治療を行っている。これにより重症者の治療に多くの医療資源を割けるようにしている。最近は重症者の増加が続いているが、日本国内の専門家はICUの病床不足を回避するため、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の感染で模索した「神奈川モデル」により、患者を次の3種類に分けるよう提案した。すなわち軽症者と無症状感染者、酸素療法が必要な中程度の患者、人工呼吸器とECMOによる治療が必要な重症者のことだ。この3種の患者は臨時隔離施設、重点医療機関、ハイレベル医療機関に送られ治療を受ける。


 同モデルは重症者の速やかな治療を優先するが、具体的な操作においては多くの難題がある。例えば患者の症状に変化が生じた時に、直ちに転院し治療を受けられるか。大流行になった場合、現在の日本のICUの能力で短期間内に生じた多くの重症・重篤者に効果的に対応できるかなどだ。これらが検討し、対応すべき問題であることは間違いない。


 日本政府は医療緊急対応能力を速やかに強化するため、1日あたりのPCR検査人数を2万人に拡大し、ベッド数を5万床まで追加し、人工呼吸器を1万5000台以上確保し、新型肺炎に高い治療効果を持つアビガンなどの薬品の備蓄を200万人分まで拡大する対策を講じた。ところが緊急事態宣言後の日本政府の一連の措置のうち、医療関連事項以外の予防的な措置には強制力がない。そのため日本が大流行を根本的に阻止できるかは、多くの市民の意識に大きく左右される。(筆者・房迪 グローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構研究員、早稲田大学博士)


「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月14日


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