東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らのチームは13日付の米医学誌電子版で、新型コロナウイルスの感染がネコ同士でも広がることを発表した。しかし感染したネコには明らかな症状は出なかった。ペットが気付かないうちに感染する可能性があるとして、河岡氏は「ネコを外に出さないよう気をつけてほしい」と注意を促した。
これまで米疾病予防管理センター(CDC)がペットのネコ2匹の感染を発表していた。その際に「動物から人に感染する証拠はない」との見方を示していた。ネコの感染はベルギーや香港でも確認されていた。研究チームは米国で実験基準に基づき、ネコ3匹に人から採取したウイルスを感染させた。これらのネコを感染していないネコ1匹と組にし、3つのケージに入れ、感染するかどうかを調べた。翌日、感染していなかったネコ1匹の鼻咽頭拭い液からウイルスが検出された。実験に参加したネコに発熱、体重減少などの健康状況の変化はまったくなかった。米国では、インフルエンザがネコから人に感染したと報告されたことがある。新型コロナウイルスのネコから人への感染はまだ確認されていないが、河岡氏は「注意が必要」とみている。またネコの飼い主が新型コロナウイルスに感染した場合、「できればネコと離れること」と述べた。
武漢大学医学部ウイルス研究所の楊占秋教授は14日、環球時報の記者に次のように述べた。
人のウイルスはネコやイヌなどさまざまな動物に感染する。先ほど海外では、ネコが新型コロナウイルスに感染すると報じられた。これはネコが人の新型コロナウイルスに敏感で、かつネコとネコの間でも双方向に感染する可能性を示している。ネコが持つコロナウイルスが人に感染しないとしても、ネコから見つかったウイルスが人から感染したものであれば、再び人に感染する可能性を否定できない。
武漢などの地域のネコやイヌなどのペットにPCR検査を行う必要性について、中国がまだ報道にある外国のチームの結論を証明していないことから、この結論の信頼性については疑問視しなければならない。国内でも関連する研究が実施され、海外の科学者と同じ結論が出れば、ネコなどのペットについてもPCR検査を実施し、処理を施し、新型コロナウイルスの人と動物の間の感染を防止するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月15日