日印豪、脱中国サプライチェーン構築で協力?

日印豪、脱中国サプライチェーン構築で協力?。中国は世界で唯一、国連が定める産業分類のうちすべての工業分類を有している国だ。世界銀行のデータによると、2010年に中国の製造業の付加価値は米国を抜き、世界一の製造大国となった…

タグ:イデオロギー サプライチェーン 産業配置

発信時間:2020-08-27 13:57:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

 一方2012年に釣魚島問題をめぐる中日関係の悪化に加え、中国の労働コストの上昇で日本企業は中国依存問題に注視し始め、いわゆる「チャイナ・プラスワン」戦略を打ち出し、中国の生産設備の対外移転を試みるようになった。新型コロナの初期に中国経済が一時期停滞したことでその不安が強まり、安倍政権は製造業の中国からの移転に特別補助金を出す意向を固めた。オーストラリアは米国の対中戦略競争に歩調を合わせたことで中国との経済関係が大きく損なわれた。3カ国の中でもオーストラリアは対中依存が最も著しく、その経済構造問題も加わり、中国という最大の貿易相手国の貿易関連の一部を日本かインドに移したいと切実に願っている。


 このイニシアチブが打ち出されれば米国政府の対中切り離し政策と密接な関係となる。米国は昨年4月、オーストラリアや日本、インドなどと協力する「経済繁栄ネットワーク」計画を発表した。サプライチェーンを再構築し、関係国企業の中国からの撤退を促し、中国のサプライチェーンにおける地位を弱める狙いがある。


 ポスト・コロナ時代において世界の経済構造の再調整の動きは政治的要素も加わり不可避ではあるが、経済的利益が決定的要素であるのは変わりない。産業チェーンの調整を巡ってはその裏で政治と経済という異なる次元の問題が絡み合っている。政治的次元で政治家が考えるのは地政学上の駆け引きであり、イデオロギー対立であり、国家安全保障などの問題だ。一方企業が経済的次元から考えるのはコストと利益とリスクで、それらのバランスを天秤にかけている。

 

 中国は世界で唯一、国連が定める産業分類のうちすべての工業分類を有している国だ。世界銀行のデータによると、2010年に中国の製造業の付加価値は米国を抜き、世界一の製造大国となった。2018年には中国の製造業の付加価値は世界シェアの28%を凌ぐまでになった。中国には巨大かつポテンシャルのある市場、質の高い労働資源、成熟したサプライチェーン、政府の政策的支援、安全で安定した社会環境、整備されたインフラなどがあり、国際資本にとっては大きな魅力がある。最大の利益を追求する企業にとって、それらを放棄し、新たな移転先で再び一から事業を立ち上げるのは困難を極める。政治家は大言壮語するものの、最終的には資本やビジネスの利益に動きを合わせるしかない。そして、サプライチェーンの調整を決定する根本的な原動力となるのは経済の法則や資本の属性、そして科学技術の進歩であることに変わりはない。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年8月27日

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