日本最大の野党である立憲民主党と国民民主党による合流新党の代表(党首)選挙は10日、投票が行われた。新党の名称が「立憲民主党」に決まり、旧立憲民主党代表の枝野幸男氏が新たな代表に選ばれた。
野党の合流推進はちょうど、日本の安倍晋三首相が辞任を表明し、与党の自由民主党が総裁選を始める時期と重なり、影が薄かった。また野党は長年に渡り合流しては分裂を繰り返しており、有権者の一部は新党にあまり期待していない。
【合流と分裂の繰り返し】
新党には立憲民主党、一部の国民民主党及び無党派の国会議員が含まれる。149人の議員のうち立憲民主党からは88人、国民民主党からは20人、無党派からは21人。
枝野氏の得票数は107票で、対抗馬の国民民主党政策調査会長の泉健太氏の42票を上回った。
泉氏は「民主党」を新党の名称にすることを提案していたが、10日の投票で立憲民主党を維持することが決まった。
立憲民主党と国民民主党は旧民主党から生まれた。旧民主党は2016年3月に維新の党と合流し民進党に改名した。民進党の一部の党員が2017年10月に離脱し、立憲民主党を発足した。民進党は2018年5月に希望の党と合流し国民民主党になった。
関西学院大学の村尾信尚教授は、共同通信に「民主党の政権運営時代から現在まで、合流によって生まれた新党は旧メンバーの入れ替えばかりで、新党発足の興奮がない」と話した。
【自民党総裁選の陰に隠れる】
安倍氏は先月28日に辞任を表明した。菅義偉内閣官房長官など自民党の3人の候補者が8日、党総裁選を開始した。これは野党合流の注目度を落とした。
JNNが7日に発表した最新の世論調査の結果によると、野党合流による新党発足に「期待しない」は62%だった。共同通信が9日に発表した世論調査の結果によると、衆院選で自民党に投票するは48.1%で、野党合流の新党に投票するは15.7%だった。
広報コンサルタントの石川慶子氏は共同通信に、「野党合流による新党発足、新たな代表の選挙は本来ならばビッグニュースだ。しかし日程が自民党総裁選とほぼ重なり、完全に陰に隠れてしまった。野党は本来ならば代表選挙により、新型コロナウイルスに苦しめられた日本国民に野党の役割と位置づけを再考させることができたが、最悪のタイミングだった」と話した。
新たな立憲民主党の結党大会は15日に開催が予定されている。その前日は自民党が投票により新総裁を選出する日だ。日本の国会は自民党の新総裁を首相に選ぶ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年9月11日