日豪の円滑化協定は一般的な防衛協力に関わらず、かつ両国が距離的に遠く離れていることから、メディアは同協定は中国に矛先を向けたものであり、中国をけん制する米国のいわゆる「インド太平洋戦略」に直接呼応したものとしている。同協定はアジア太平洋地域の対抗ムードをさらにエスカレートさせ、各国の地域情勢への認識に非常に悪い影響を与え、かつ米国のアジア分裂に新たなテコを提供した。
日本は近代以降、中国と東南アジアの侵略を続けてきた。中国が逆に日本を侵略したことはなく、ましてや豪州に軍事拡張を行ったことはない。近代史で豪州を侵略したことのある国は日本だけだ。日豪は中国のために関係を発展させた。両国には戦略的な懸念があり、古臭い準軍事同盟の努力を始め、ほぼ公然と対抗姿勢を示している。彼らは「相手を敵視すれば本当に敵になりうる」という基本的な道理をわきまえ、こうすることによる潜在的かつ戦略的な危険を理解するべきだ。
中国は平和的発展の方針を掲げ、仲間を作るが同盟を作らないことを主張している。米国はアジア太平洋における「南北の錨」である日本と豪州を利用し、「アジア版NATO」の構築を絶えず促進している。これは中国に対して、我々はいかに対応すべきかという厳しい課題を突きつけた。
中国は現実と願いのパラドックスに直面している。米日豪などは中国に対外的なより掘り下げた軍事協力を模索するよう願っている。ところが中国が米日豪のようにやり過ぎた場合、地域ひいては世界の分裂がさらに激化する。中国は自国の安全を守る必要があり、世界の平和と安定も必要としている。この2点は中国にとって、表裏一体のような緊密なつながりを持っている。