日本の菅義偉首相の長男が総務省の当局者の違法接待を行っていた疑いが浮上し、一気に大問題となった。日本の加藤勝信官房長官は記者会見で「総務省は本件の調査を進めている」「国家公務員倫理法に違反する行為があれば、国民の信頼を失う。総務省は対策を講じるべきだ」と述べた。菅義偉氏は本件について「まったく知らなかった」と述べ、また自ら長男に事情を聞くつもりもなかったと述べた。しかし4日付「朝日新聞」によると、菅氏は同日、長男と電話したことを認めた。
「週刊文春」は3日、菅義偉氏の長男の菅正剛氏は昨年10月から12月にかけて、総務相の当局者を4回不当に接待し、贈り物を渡していた。正剛氏は2006年から07年にかけて総務大臣秘書官に就任した。菅義偉氏は当時、第1次安倍内閣の総務大臣だった。菅正剛氏は08年に衛星放送やテレビ番組制作を行う東北新社に入社し、現在はその高官となり、同時に同グループ子会社の取締役に就任している。東北新社が菅義偉氏に500万円以上の政治献金を行っていたことに注意が必要だ。
菅正剛氏が接待した総務省高官は、今夏総務事務次官に昇格と噂されている谷脇康彦総務審議官、吉田眞人総務審議官、衛星放送等の許認可にかかわる情報流通行政局の秋本芳徳局長、その部下の湯本博信氏の4人。報道によると、4人は東京で1人4万円を超す料亭で接待を受け、手土産やタクシーチケットなどを受け取った。菅正剛氏は毎回、自ら接待した。
規定によると、日本の公務員は利害関係者との会食では、割り勘であっても1人当たりの金額が1万円を超える際に役所の倫理監督官への届出が必要だが、4人は届出を出していなかった。彼らは菅正剛氏から高級チョコレートを受け取った現場を日本メディアに撮影された。東北新社は、自身が利害関係者であるとは思わず、当局者の接待は単なる情報交換のためだったと答えた。
菅義偉氏は世襲政治に反対しており、息子が民間企業で働いていることを誇りとしていた。また妻の控えめな態度も好感度を高めていた。今回の「政治とビジネスの結託」というスキャンダルが菅氏のイメージを打ち砕くことは間違いない。記事は、コロナ禍で会食を控えるよう国民に呼びかけておきながら、総務省幹部が接待に応じたのは首相の菅義偉氏が大きな人事決定権を持っているからだろうとした。感染対策に力を入れず支持率が低迷するなか、このスキャンダルは菅政権にとって泣きっ面に蜂だとする声もある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年2月5日