紆余曲折を経ている東京五輪の聖火が23日、東日本大震災の被災地である宮城県を離れ、41カ所目となる静岡県に入った。聖火は30日後、東京のメイン会場である国立競技場で聖火台に灯される。東京五輪が正式に開幕する。
その3日前、東京都晴海の選手村も公開された。五輪開幕がますます近づいている。ところが新型コロナウイルスの影がまだ払拭されていないため、日本国内の感染状況や会場の防疫といった一連の問題が主催者側を悩ませている。
防疫が大きな試練に、無観客開催の可能性も?
東京五輪の開幕まであと30日だが、防疫活動と大会の実施の間でいかにバランスを取るかは、常に関心を持たれている問題だ。
日本政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が18日、日本政府と東京五輪に「無観客開催が最も理想的」と提案し、世界のネット上で大きな話題になった。
この考えには強い民意の基礎がある。日本の共同通信社が19、20日に行った全国電話世論調査によると、無観客開催に賛成は40.3%だった。
東京五輪組織委員会は3月の段階で、海外客を入れないことを決定していた。しかし国内客を入れるか、どれほど入れるかは常に議論の焦点になっていた。
この長い議論は今月21日、ついに終止符を打たれた。東京五輪組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)、日本政府、東京都による同日の5者協議で、原則的に五輪の収容定員を1万人に設定することが決定された。
しかし日本の菅義偉首相は、開催期間中に感染状況が再悪化した場合、ためらわず緊急事態宣言を発令し、無観客開催になることも辞さないと表明した。