ツイッターの騒動、日本の歴史認識の歪曲を反映

ツイッターの騒動、日本の歴史認識の歪曲を反映。日本にとって毎年8月は感傷にふける季節で、侵略の罪を薄れさせ、美化する耳障りな雑音が常に飛び出す。国際社会、特に第二次大戦の被害国にとって、これは日本社会の歴史認識を観察する重要な機会だ…

タグ:ツイッター 歴史 ドイツ 認識 米国

発信時間:2021-08-12 14:26:37 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 8月9日は長崎原爆の日だ。日本のドイツ大使館はツイッターで、「広島と長崎は、核戦争の狂気を物語る象徴的存在です。発端は、ドイツと日本のナショナリズムと軍国主義によって始まった戦争でした」と投稿し、日本の多くのネットユーザーから不満のコメントが集まった。ある人はさらに、日本は当時「自衛の戦争」の発動を強いられたとした。「環球時報」が伝えた。


 日本にとって毎年8月は感傷にふける季節で、侵略の罪を薄れさせ、美化する耳障りな雑音が常に飛び出す。国際社会、特に第二次大戦の被害国にとって、これは日本社会の歴史認識を観察する重要な機会だ。


 まず、日本社会の歴史認識の歪曲は根深い。客観的に論じると、日本は軍国主義の歴史をまったく反省していないわけではないが、その角度は往々にして非常に狭い。日本が製作する第二次世界大戦の各種ドキュメンタリーには、広島と長崎の悲惨な境遇を訴えるもの、軍国主義勢力の盲動を批判するもの、社会の全体的な狂騒を反省するもの、年若く出征した神風特攻隊を悼むものなどがある。実情を知らない若い世代からすれば、日本の「被害者」としての深い悲しみは「感動的」だが、彼らは真相の別の面、つまり日本が「加害者」として何をしたのか、アジアの隣国が日本の侵略によりどのような苦難を経験したかを知らない。日本政府及び主流メディアは長期的に、これについていい加減に触れるか、死傷者数などの細かい問題にこだわり、正面から反省することが滅多に無い。この偏狭で歪曲された歴史認識は、現在も日本とアジアの隣国との関係を妨げる根源となっている。

 

 次に、日本の政治の右傾・保守化が危険性をはらんでいる。日本の間違った歴史認識の根源の一つは、米国の戦後の日本改造の不徹底であり、反共の需要から日本軍国主義の残党を放任し、保守勢力が主導する日本の政界の構造を固めた。戦後の日本の政治史を振り返ると、「55年体制」の下で社会党と自民党が争い、革新と保守の対立構造を形成した。冷戦後の分裂と合流を経て、自民党が大半の時期に一強の地位を維持し、かつ多くの保守派の小さな党が誕生した。社会党の流れを汲む社民党は今や勢いを失っており、消滅の危機に瀕している。日本共産党はなんとか一定の議席数を保っているが、その主張は非主流で広く認められていない。日本の政治が日増しに狭隘な保守主義の袋小路に陥るなか、平和主義と反省の潮が引くペースが上がっている。この政治的雰囲気のなか、日本の政治家、メディア、学者はいわゆる外の脅威の喧伝に熱中し、改憲と強軍を扇動し、ますます危険な匂いを漂わせている。


 さらに、日本国内で騒がれている「中国脅威論」は間違った歴史観と同じ流れを汲んでいる。中国の台頭に伴い、近代の百年に渡り見下していた貧乏な隣人が大物に成長すると、日本の心のバランスが乱れ始め、焦燥が優越感に取って代わった。日本が「中国の脅威」を語る時、一体何を恐れているのだろうか。筆者の理解によると、恐らくは日本自身の歴史の経験の「投影」、もしくは「鏡に映った姿」だろう。明治維新後の日本は東アジアで真っ先に近代化の道を歩み、日清戦争及び日露戦争の勝利で列強の仲間入りを果たし、みだりに戦いを仕掛ける道にそれた。一部の日本人は心の中で、今日の中国の台頭は日本の当時の道をコピーし、「日本に復讐する」道を歩むと懸念しているのだろう。


 戦争の惨劇は徐々に過去と化しているが、歴史の記憶が色褪せることはない。歴史を記念するのは憎しみ続けるためではない。「歴史を鑑とし、未来を見据える」は中日国交正常化後の両国による厳かな約束だ。日本の一部の政治家は、軍国主義の「加害」の歴史を直視することで初めて歴史の教訓を汲み取り、歴史を鑑とすることでアジアの隣国と未来志向の良好な関係を築けることを認識するべきだ。(筆者・項昊宇 中国国際問題研究院アジア太平洋研究所客員研究員)

 

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月12日

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