「エアコンは無料で、使った分だけ料金を徴収」する。「日本経済新聞」(電子版)の1日の記事によると、日本のダイキン工業はアフリカでモバイル決済システムに基づく都度利用サービスを開始した。関連業務はまず、アフリカ東部のタンザニアで始まる。エアコンをユーザーに無料(約77ドルの取付工事費のみ)で提供し、その後使用回数に基づき料金を徴収する。ユーザーが携帯電話で約1.4ドルを支払うと、携帯電話をリモコンとし、エアコンを1日使うことができる。
報道によると、日本企業が同サービスを打ち出すのは、エアコン市場で競合する中国と韓国の企業に対抗するためだ。中韓両国のエアコンメーカーは90年代にインフラ整備が比較的成熟している北アフリカ市場に進出し、かつアフリカ市場で速やかに主導権を握った。両国の市場シェアは合計で50%以上にのぼる。中国の美的集団と韓国のLG電子は現地で多くの代理店を持ち、エアコンの販売価格で強みを握る。しかしダイキンの調査によると、アフリカの一部のエアコンメーカーはアフターサービスが弱く、10台中7台が故障により放置されている。そこでダイキンは新しい業務モデルにより消費者の選択肢を増やし、中韓企業の地盤を奪おうとしている。まず美容室・理髪店や飲食店などへの5万台の都度利用エアコンの設置を目指す。
アフリカのエアコン普及率は1%のみ。現在のエアコンの年間需要は約300万台で、将来的に拡大を続ける見通しだ。「アフリカエアコン市場(2019-25年)」という海外の報告書によると、アフリカのエアコン市場の2019-25年の年平均成長率は5.7%にのぼる見通しだ。特にエジプト、ナイジェリア、南アフリカなどの国はインフラ開発を力強く支援しており、商業及び住宅プロジェクトが増加を続けている。これはアフリカのエアコンの需要を刺激することになる。
カイロの市民は「環球時報」に、「所得が少ないため、現地人はエアコンなどの家電の価格に非常に敏感で、アフターサービスを非常に重視する人も多い。つまり、コストパフォーマンスが良く、長持ちする製品を購入しようとしている。エアコンの都度利用とは斬新なサービスだが、コストパフォーマンスは高くないようで、ホテルやレストランなどの公共の場での設置に適しているようだ。しかし使用コストが今後下がり続けるならば、ぜひとも新たな一つの選択肢にしたい」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年9月3日