岸田氏が新総裁に当選も前途多難

岸田氏が新総裁に当選も前途多難。

タグ:岸田氏 新総裁 当選

発信時間:2021-09-30 14:03:26 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の与党・自民党の総裁選が29日、行われた。2回の投票を経て、前外務大臣の岸田文雄氏が当選した。10月4日に予定されている臨時国会の首相指名選挙で次期首相に当選する見通しだ。新華社が伝えた。

 

 「新旧」の争い

 

 日本メディアは選挙前、岸田氏と河野氏の勝敗が決するのは2回目の投票と見ていた。しかし選挙前の予想と異なり、人気のある河野氏が1回目の投票でトップになれず、期待が寄せられていた地方の党員票でも圧倒的な差をつけられなかった。岸田氏は2回目の投票で高市氏陣営の多数の議員票を集め、リードをさらに広げた。

 

 日本で間もなく衆院選が行われ、来年の夏には参院選を控えていることから、自民党の若手議員には人気のある候補者を支持する傾向があり、新総裁の人気により当選する確率を上げようとした。その一方で党内の重鎮とベテラン議員は再選の自信があるため、支持者の選択では派閥の利益、人間関係、政策理念などを多めに考慮した。「異端」とされる河野氏よりも、自民党の重鎮は慎重で落ち着いた、理念が党内の主流に近い岸田氏の方が自身の利益に合うと判断した。

 

 投票結果を見ても、河野氏は選挙前の各種世論調査の支持率で大幅にリードしていたが、河野氏を代表とする「革新」勢力は自民党の派閥政治の厚い壁を破れなかったことが分かる。日本メディアは、今回の選挙からは自民党内の世代交代にまだ時間がかかり、重鎮と派閥が権力を握る能力を維持していることが見えたとした。

 

 多くの課題

 

 決定済みの日程に基づき、日本の国会は10月4日に首相指名選挙を行う。自民党を中心とする連立与党が衆参両院の過半数の議席数を占めていることから、岸田氏が次期首相に当選する見込みだ。

 

 岸田氏は就任後、多くの課題に直面する。日本の衆院議員の任期は10月21日で満了し、衆院選が11月に行われる見通しだ。岸田氏が直面する最初の試練は、自民党を率いて衆院選に勝てるかだ。自民党が衆院選で多くの議席を失えば、政権運営の地位を維持できたとしても、岸田氏は党内で信頼の危機を迎える。

 

 施政について、岸田氏は菅義偉政権を踏まえた上で感染対策と経済回復のバランスを取らなければならない。岸田氏は総裁選で「令和版所得倍増計画」を掲げ、分配制度の改革による貧富の格差縮小、中間層の拡大を主張した。しかし「パイ」全体の拡大が困難な状況において、分配改革のみの景気刺激が奏功するかも問題になる。

 

 他にも、党内の重鎮及びその他の派閥勢力との関係を適切に処理し、施政理念と政策措置が牽制と制御を受けないようにするのも、岸田氏にとって大きな課題だ。岸田氏が長期政権を実現するためには、多くの取り組みが必要との分析もある。上述した課題に適切に対処できなければ、岸田政権はまた短命政権になり、日本の政局も混乱が続くことになるだろう。

 

 外交及び安保について、菅政権は米国の「インド太平洋戦略」に積極的に合わせ、周辺諸国に強硬な態度を示し、軍備拡張を目指した。岸田氏は総裁選で党内の保守勢力に迎合するため、従来の穏健路線を変え類似する主張を掲げた。しかし周辺諸国との食い違いは日本の国益に合致しない。いかに理性的な選択をするのかも岸田氏が直面する大きな難題だ。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年9月30日

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集     中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで